【バドミントン】渡辺勇大、18歳田口真彩と組んだ経緯を説明「若い選手とまだまだやりたい」

AI要約

渡辺勇大と田口真彩が混合ダブルスで初陣し、圧倒的な勝利を収めた。

渡辺は経験豊富なプレイで共演者をサポートし、田口も好調なプレーを見せた。

二人は今後の国際大会に向けて新たなペアとして活躍する意欲を示している。

【バドミントン】渡辺勇大、18歳田口真彩と組んだ経緯を説明「若い選手とまだまだやりたい」

<バドミントン:全日本社会人選手権>◇第1日◇7日◇鳥取産業体育館◇混合ダブルス2回戦

 混合ダブルスでオリンピック(五輪)2大会連続銅メダルの渡辺勇大(27=BIPROGY)が、23年世界ジュニア選手権女子ダブルス王者の田口真彩(18=ACT SAIKYO)とペアを組んだ初陣でストレート勝利を収めた。

 第1ゲーム(G)から21-8、21-13と連取し、白石大智、若林真名組を圧倒。正式なペア結成の見通しは立っていないが、9歳差コンビが大きな可能性を示した。

 渡辺は東野有紗との「ワタガシペア」として、13年にわたって活躍。自身の経験を若い世代と共有し、日本の混合ダブルスの底上げにも寄与していく。

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 後ろで動く渡辺は、ゲームを俯瞰(ふかん)するようにラリーに終始していた。チャンスボールでも、持ち味の跳びながらのスマッシュは多用しない。

 「経験値は僕のほうが少し上にいるかなと思う。伝えられることを伝えていきたい」

 得意技を抑え、手前の田口のプレー機会を創出していた。

 第1Gは田口の硬さが目立った。ラケットを振り切れず、コントロールに苦戦。浮かせた羽根がアウトになったり、返球がネットに引っかかったり。見かねた渡辺は細かなアドバイスではなく「思いっきりやっていいよ」と緊張を和らげ、力を出せるようにアシストした。

 1-4からは8連続得点で逆転。田口も武器のスピードにエンジンがかかり、身長165センチの長い手足で広範囲に対応した。田口を指導するACT SAIKYOの小宮山元監督も「決められる場面は何回もあったが、田口のほうに上げさせて、ディフェンス練習をさせたりしていた。田口に決めさせる配球をしていた。育てるようにラリーをしてくれた」と感謝した。

 このペアでの出場は渡辺側の提案によるもの。かねてパリ五輪後に東野とのペア解消が決まっていた中、「若い選手と組んでまだまだやりたい」と思い立った。所属先の早川賢一監督らに相談し、過去にBIPROGYで指導経験があった小宮山監督の協力も得たことで、今回の結成へと至った。

 数多くの候補選手の中で田口と組んだ理由は「話すと長くなる」と説明を避けたが、今大会前にはACT SAIKYOが拠点とする山口県へ赴き、4日間みっちりと練習。「ここはこうしたほうがいい」と丁寧に技術を伝えた。

 このまま28年ロサンゼルス五輪を新ペアで目指すかは未定だが、2人は10月に2つの国際大会にエントリ。「僕自身も負けたくない」とプレーでも引っ張るつもりだ。

 日本の混合ダブルスは16年リオ五輪まで準々決勝進出が最高成績となっていた中、渡辺が21年東京、今夏のパリと2大会連続で銅メダルを獲得。まだ満足せず、上を目指し続ける。

 「育てるというよりも、一緒に強くなりたい」

 この日の試合後の控室でも、身ぶり手ぶりで田口とプレーを振り返る姿があった。若い選手と経験を共有し、ともに成長していく。【藤塚大輔】

 ◆渡辺勇大(わたなべ・ゆうた)1997年(平9)6月13日生まれ、東京都出身。12年に福島・富岡第一中の1学年先輩の東野有紗とペア結成。富岡高を経て、16年から日本ユニシス(現BIPROGY)。五輪では21年東京大会から2大会連続銅メダル。24年8月のジャパン・オープンをもって東野とのぺアを解消。同月に一般女性との結婚を発表。167センチ。左利き。

 ◆田口真彩(たぐち・まや)2005年(平17)10月9日生まれ、宮崎・日向市出身。山口・柳井中卒業後、柳井商工では主将として活躍。全国高校総体女子団体3連覇。高3の23年世界ジュニア選手権女子ダブルス優勝。24年4月の西京銀行入行が内定後、内定選手として臨んだ同行チーム「ACT SAIKYO」で23-24年S/Jリーグ新人賞。165センチ。左利き。