【ロッテ】サイ・ヤング賞左腕・カイケル5回1失点でNPB初勝利「9月5日は忘れられない」

AI要約

サイ・ヤング賞左腕のロッテ、ダラス・カイケル投手がNPB初勝利を挙げた。5回1失点と落ち着いた投球を見せた。

カイケルはポーカーフェースを貫き、常に落ち着いた表情を見せる。試合後はウイニングボールを手に笑顔を見せた。

カイケルはメジャーで103勝を挙げた実績を持ち、日本での初勝利に喜びを表明。左腕の勝利をファンと分かち合う決意を示した。

【ロッテ】サイ・ヤング賞左腕・カイケル5回1失点でNPB初勝利「9月5日は忘れられない」

<ロッテ3-1楽天>◇5日◇ZOZOマリン

 サイ・ヤング賞左腕のロッテ、ダラス・カイケル投手(36)がNPB初勝利を挙げた。ポーカーフェースのカイケル流のルーティンで、5回1失点と落ち着いた投球を見せた。

 試合前まで3度の登板で計17回を投げ4失点。8月17日ソフトバンク戦と本拠地初登板の8月29日西武戦では、いずれも初回に2失点していた。苦手としていた初回をこの日は落ち着いて無失点にすると、ベンチに戻る際に、捕手田村とグラブタッチ。試合中、この時だけは、思わず笑みがこぼれた。

 普段は優しい表情が、マウンド上では一変する。点を取られても表情を崩さず、ポーカーフェースを貫く。吉井監督も「試合中は話しかけられないぐらいおっかない」と話すほどだ。マウンドを降りると、そのままベンチで休憩する投手が多い中で、カイケルは必ずカメラマン席から一番離れたベンチの入り口からすぐに裏へ姿を消す。

 「点を取られたときとか、イニング終わったときにカメラで捉えられると、表情に出ちゃう。中に入ってた方がいいんじゃないかなと思ってそうしている」とこだわりを明かした。日本仕様でベンチ前で投球練習をすることもなく、ギリギリまで中で過ごし、マウンドに上がった。

 試合後に、益田からウイニングボールが手渡されると、白い歯を見せ、再び笑顔に戻った。メジャーで103勝を挙げた助っ人が「今日のこの9月5日は忘れられないと思う」と喜んだ。「勝つことが大好き」と語る左腕がこれからも勝利を届け、自らとファンを笑顔にする。【星夏穂】

 ◆ダラス・カイケル 1988年1月1日生まれ、米オクラホマ州出身。アーカンソー大から09年ドラフト7巡目でアストロズ入り。15年に20勝を挙げ最多勝、サイ・ヤング賞。17年ワールドシリーズ優勝。19年にブレーブス移籍後は6球団でプレーし、今季はブルワーズで4試合に投げ勝敗なし。大リーグ通算282試合、103勝92敗0セーブ、防御率4・04。ゴールドグラブ賞5度(14~16、18、21年)、球宴出場2度(15、17年)。190センチ、93キロ。左投げ左打ち。

 ▼ロッテ・カイケルが、来日初勝利。サイ・ヤング賞投手のNPB球団加入は62年のドン・ニューカム(中日=登録名ニューク)、23年のトレバー・バウアー(DeNA)に次いで3人目。ニューカムは主に外野手としてプレーし、登板1試合で勝敗なし。勝利は昨季10勝のバウアーに次いで2人目。