【千葉魂】悔いなき戦い見せる時 積極姿勢説く指揮官 千葉ロッテ(第436回)

AI要約

監督が若手選手に積極性を促すために話し合いを行い、その成果を試合前の練習で確認。

マリーンズが首位ホークスに快勝し、選手たちの積極的な姿勢が目立つ試合となった。

8月を負け越したチームが、9月からの勝負月に向けて積極性を持って戦いたいと意気込む。

【千葉魂】悔いなき戦い見せる時 積極姿勢説く指揮官 千葉ロッテ(第436回)

 練習前、監督室には安田尚憲内野手、藤原恭大外野手、山口航輝外野手の姿があった。8月30日、首位ホークスを迎えての3連戦の試合前のことだ。

 「3人を呼び出して、ちょっと話をしてもらった。みんなちょっと勘違いをしているように見える部分があった。やってはダメなことばかりが頭の中にあって、ゲームに入るとやってはいけないことばかりが頭に浮かんでしまって、二の足を踏んでしまっているように見えた。失敗したらと思うと勇気が出ない。ただ、できる人たちというのは、なにをやるかをしっかりと事前に決めて、それに対して思いっきり積極的にやっている。若い子たちがそういう姿を出してほしい。そういう姿でチームを引っ張ってほしいと話をした」と吉井監督は内容を教えてくれた。

 練習後ではなく練習前に呼んだのは、この話し合いを受けて、練習でどういう姿勢を見せるかを見たかったからだ。

 「練習もなにかをイメージしながらやるのか、ただ自分の練習を黙々とやるのかで全然、違う。試合は相手がある。向こうも崩そう、打ち取ろうと思って投げてくる。練習のように思い通りに打たせてくれるわけではない。その中で、どうそれを攻略するか。事前に対策を決めたら、決めたことに対しては自信を持って、それを信じて迷わずに勇気を持って振ってほしい。練習からそのイメージで取り組んでほしい。どうしてもあれをしたらダメという部分が頭を支配していて、中途半端になっているように見えていた。でも今日は練習から積極性が見えるようになったと思う」と吉井監督は手応えを感じた笑顔をのぞかせた。

 この試合、マリーンズは快勝した。先発の佐々木朗希投手は7回を無失点で7勝目。安田が先制点を挙げると藤原は貴重な追加点をたたき出した。いずれも積極的な打撃だった。ベンチで見守る指揮官は満足げに目を細めた。「みんな打席で積極的な姿勢を見せてくれた。山口もヒットこそ出なかったが、積極的な姿勢を見せてくれていた」と振り返った。

 チームは8月を12勝15敗と負け越して終わった。故障者も出る中、真夏に9連戦を戦うなど苦しい月となった。そして勝負の9月を迎える。今シーズンも残すこと22試合。泣いても笑っても、決着の時を迎える。どんな月だって苦難は必ず訪れる。15勝4敗4分けと大きく勝ち越した5月も北海道で3連敗を喫するなど厳しい局面を迎えた瞬間があった。ただ、苦難に負けなかった。積極的に前へ、前へと苦難に立ち向かった。いまこそ勇気を振り絞り、失敗を恐れずに積極的な姿勢でゲームに向かいたい。悔いなき戦いを見せる時だ。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)