福岡大、リーグ戦初登板の2年生左腕コンビが好リリーフで逆転勝利を演出【九州六大学野球】

AI要約

福岡大が九州六大学野球秋季リーグ戦第1週で九州大を6-3で下し、開幕2連勝を飾った。

新星サウスポー2人が好投し、チームをリードした。久我遥希はピンチをしのぎ、楠井悠太は初登板で初勝利を挙げた。

楠井は高校時代の怪我を乗り越え、下半身の強化で安定した投球を見せた。若手投手がチームの勝利に貢献し、チーム内競争も激化している。

福岡大、リーグ戦初登板の2年生左腕コンビが好リリーフで逆転勝利を演出【九州六大学野球】

 ◆九州六大学野球秋季リーグ戦第1週 福岡大6―3九州大(2日、北九州市民)

 リーグ戦デビューを果たした2人の新星サウスポー好投で福岡大が開幕2連勝を決めた。

 3点を先制された2回2死一塁の場面で久我遥希(2年・福岡大若葉)がリリーフ登板。犠打とボークで走者を三塁まで進めたが、無失点に抑えてピンチをしのいだ。

 3点を追う3回からは楠井悠太(2年・下関商)が登板。ロングリリーフで好投すると、7回に味方が4点を奪って逆転。楠井は7イニングを4安打無失点の好投で、初登板で初勝利を手に入れた。「2人とも投げさせたいと思っていた投手。投げられる投手は多いほどいいので層が厚くなるのはありがたい」と堀壮太監督は期待に応えた2人の投球に目を細める。

 久我はオープン戦でピンチの場面に火消し役として登板。落ち着いた投球が評価されて今季からベンチ入りを果たした。ピンチの場面でのリーグ戦初マウンドも「オープン戦もこういう場面で投げてきたので慣れていた」と平常心のままきっちりと仕事をこなした。最速140キロの速球を武器に「これからも与えられた役割を果たしたい」と表情を引き締める。

 3回から登板した楠井は力感のないフォームから最速139キロの直球にカーブ、スライダー、チェンジアップなどの変化球をテンポよく投げこんで、三塁を踏ませなかった。「投げる準備はしていた。最後まで投げるつもりでいきました。力みのない投球が自分の持ち味」。四球はわずか1という会心の投球だった。「どんな時もひょうひょうと投げることができる。夏の練習では一度Bチームに落としたことがあったんですが、腐らずによく頑張ったと思います」と堀監督は評価する。

 伝統校の下関商高出身の楠井は、3年の夏の大会は左肘を痛め登板できないまま初戦敗退に終わった。「初戦で勝てば投げる予定だったんですけど。高校で悔いを残したので、その分も大学で頑張ろうと思いました」と高校時代の恩師の母校だった福岡大に入学した。大学ではトレーニングで下半身の筋力アップに取り組んだ。入学時は120キロのバーベルをかついでスクワットをして「10回がやっとだった」というが、今では160キロのバーベルで10回を3セットこなす。体重も入学時より7キロ増えた。初登板で見せた安定した投球は下半身強化のたまものだ。

 1日の開幕戦で完封したエース朝吹拓海(2年・神村学園)を追いかける2年生の好投手が急成長。「朝吹も同じ2年生のライバル。朝吹の次の2番手に自分が入れるよう毎試合アピールしていきたい」。楠井はエースに負けじと同学年のライバルをリードする躍進を誓った。

(前田泰子)