【BOM】勝った吉成名高&奥脇竜哉が業界へ「本物の格闘技を」「リスペクト持って」呼びかけ

AI要約

ムエタイ「BOM47」のダブルメインイベントには、奥脇竜哉と吉成名高が登場し、KO勝ちでタイトルを獲得した。

奥脇はWBCムエタイ世界フライ級王座決定戦で相手を圧倒し、1RKO勝ち。吉成もWBCムエタイ・スーパーフライ級王座決定戦で初の日本人となるダイヤモンドベルトを獲得した。

試合後、奥脇と吉成は格闘技界に対してリスペクトと相手への感謝の重要性を訴え、ファンから大きな拍手を受けた。

<BOM(ザ・バトル・オブ・ムエタイ):47大会>◇1日◇神奈川・横浜大さん橋ホール

 ムエタイ「BOM47」のダブルメインイベントに元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者・奥脇竜哉(24=エイワスポーツジム)と、ラジャダムナンスタジアム認定3階級制覇王者・吉成名高(23=エイワスポーツジム)が登場。2人ともKO勝ちでまた1つタイトルを獲得した。

 まず奥脇がWBCムエタイ世界フライ級(50.80キロ)王座決定戦3分5Rでシヴァラット・ウォーリンティダ(タイ)と対戦。強烈なローキックでシヴァラットの左足を痛めつけ、相手の動きが鈍くなるとボディ連打。そこから顔面にもパンチを散らし、膝も突き刺してダウンを奪った。相手が1度は立ち上がったがボディ、顔面へのパンチ連打と膝で2分44秒、1RKO勝ちした。

 続いて吉成がWBCムエタイ・スーパーフライ級(52.16キロ)ダイヤモンド王座決定戦3分5Rで、ペットアヌワット・ノーアヌワットジム(タイ)と対戦。試合前のワイクルー(師に礼を示す踊り)で相手に刀を突き刺すポーズを見せて会場を沸かせ、試合でもサウスポースタイルから強烈な左ミドル、右ロー、左ストレートを浴びせ、1Rにいきなりダウンを奪った。

 2Rにも三日月蹴り(前蹴りと回し蹴りの中間の軌道で親指の付け根で蹴る)でダウンを奪取。最後は2R2分44秒、顔面への左ストレートで勝負を決めた。吉成は、K-1でも大活躍したブアカーオ・バンチャメークと、ルンピニースタジアム認定4階級制覇王者のセンチャイ・PKセンチャイムエタイジムしか持っていない、WBCムエタイ・ダイヤモンドベルトを日本人で初めて獲得した。

 そして2人の試合後のマイクがこれまた会場のファンを沸かせた。まず奥脇が「1つ言いたいことがあって」と切り出し「最近、格闘技で相手をバカにしたり、相手を挑発したりする。そういうのは僕は格闘技じゃないと思ってるんで。自分とエイワスポーツジムの選手は本物の格闘技を目指してるんで、注目してください」とアピール。

 吉成も自身の試合の後、「さっき竜哉もすごい試合を見せてKOしたと思うんですけど、本当に今の格闘技界は暗い話題だったり、相手を悪く言って盛り上げようとする風潮が多いと思うんですけど。やっぱり相手がいるからこそ競技が成り立つと思いますし、相手に対するリスペクトとか感謝の気持ちは、格闘家として本当に持ってほしいなと思っています」と業界全体に呼びかけた。

 ムエタイの聖地ラジャダムナンスタジアムで頂点に立った2人の心からの言葉に、会場のファンも大きな拍手を送っていた。