延期となったスーパーGT第5戦鈴鹿のチケットは払い戻し。レースにおける「興行成立」と「不成立」の違いは

AI要約

スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 350km RACE』が台風の影響で延期され、12月に開催予定。

チケット払い戻しに関する約款の条件や、各シリーズのメインレース成立条件について解説。

他サーキットでも同様の処置が取られる可能性あり。事前に約款や成立条件を確認しておくことが重要。

延期となったスーパーGT第5戦鈴鹿のチケットは払い戻し。レースにおける「興行成立」と「不成立」の違いは

 8月28日、鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドは、8月31日(土)~9月1日(日)に予定されていたスーパーGT第5戦『SUZUKA GT 350km RACE』が台風の影響により延期されると発表した。レースは12月7日(土)~8日(日)に行われることになったが、各種チケットはすべて払い戻しとなった。払い戻し方法等は9月9日(月)に案内されることになるが、この機会に改めて、モータースポーツイベントにおいて払い戻しになるケースとならないケースを確認しておこう。

 モータースポーツを観戦するとき、まず必要になるのがチケット。購入方法はさまざまだが、各種チケットサービスやサーキットのオンラインチケット等で購入することが多いだろう。今回の第5戦で言うと、ホンダモビリティランドのチケット販売サイト『モビリティステーション』から購入した方も多いはず。

 他サーキットでも同様だが、購入の際には約款を一読し、同意してから購入することが前提。モビリティステーションの購入時には『鈴鹿サーキット・モビリティリゾートもてぎ レース観戦・イベント観覧約款』というものが設けられている(下記URL参照)。チケット払い戻しについては、第7条『チケット商品代金の払戻し』という中に記載されている。

https://ticket.mobilitystation.jp/app/web/contents/agreement.html

 詳細は約款そのものを読んでいただきたいところだが、基本的に第7条1.の「興行が不成立となった場合」のみ払い戻しが行われる。今回の場合、事前に延期が決定したことでこの条項にあたり、払い戻しが行われる。詳細は9月9日(月)に発表される。

 一方、第7条2.の中には、「決勝日のメインレースが成立した場合に興行成立となり、興行が不成立になった場合のみ払戻しを行います」と記載されている。しばしば荒天のレース時に話題となる「レース成立」という文言がこれにあたるのだが、「メインレース成立の条件はレース毎に異なり、主催者が判断します」とされる。

 実はこの「メインレース成立の条件」は、シリーズによって異なっている。また、前売りの1日券や当日券については、「該当日の主要な興行の開催をもって成立」となる。これについては鈴鹿/もてぎの場合、細かく事前に規定されているので興味深い。

 鈴鹿/もてぎで開催されるレースについては、下記のホームページにすべて記載されているのだが、スーパーGTやスーパーフォーミュラ、スーパー耐久の場合は、「先頭車両が2周回以上を完了した時点」とされる。これについては、各シリーズのレギュレーションにも記載されており、特にセーフティカーが先導しているかどうかの記載はない。

https://www.honda-ml.co.jp/ticket-regulation/

 一方、F1日本グランプリの場合は「セーフティカーまたはバーチャルセーフティカーの運用なしに先頭車両が2周回以上を完了した時点」とされており、条件がやや異なる。また金曜日券の場合は、「金曜公式走行セッションの少なくとも1つが開始した時点」とされており、フリー走行が少しでも始まれば「成立」となる。

 二輪ではやや条件が異なっており、MotoGP、JSB1000の場合「先頭ライダーと同一周回のライダーが3周を完了した時点」となっている。MotoGPも3日間のそれぞれのチケットで条件が異なっている。

 今回は鈴鹿サーキット/モビリティリゾートもてぎを例にしたが、これらの約款、レース成立の条件は他サーキットでも大きくは変わらない(特に国内各シリーズのレース成立の条件はレギュレーションにあることから同じだ)。今回の台風10号の影響のようなケースは今後も発生する可能性がある。いざという時に慌てずに済むよう、事前に確認しておくのが良いかもしれない。

[オートスポーツweb 2024年08月30日]