「送球」だけが課題だった関東一の俊足センターが奇跡のバックホームで決勝進出!指揮官も絶賛

AI要約

関東一が神村学園を2-1で破り、初の決勝進出を果たす。センター飛田のバックホームが試合の決定打となった。

飛田のバックホームは奇跡の再現となり、1996年の松山商の矢野のプレーを連想させるものだった。

飛田は送球が課題だったが、今回のプレーでその弱点を克服し、監督も成長を実感した。

「送球」だけが課題だった関東一の俊足センターが奇跡のバックホームで決勝進出!指揮官も絶賛

<第106回全国高校野球選手権大会:関東一2-1神村学園>◇21日◇準決勝◇甲子園

関東一を2対1で神村学園を下し、初の決勝進出を決めた。最後まで手に汗握る熱戦で、ヒーローとなったのは関東一のセンター・飛田 優悟外野手(3年)だ。二死一、二塁から中前安打を処理した飛田はバックホーム。これがダイレクト返球となり、間一髪でアウトになった。

28年前の1996年の松山商vs熊本工の決勝戦で、松山商の矢野 勝嗣外野手の大返球が、熊本工のサヨナラを阻止し、奇跡のバックホームと呼ばれた。矢野のバックホームと飛田のバックホームは同じ8月21日。この偶然が重なり、「令和版奇跡のバックホーム」と呼ばれている。

飛田は「送球」以外、完璧な外野手だった。バットコントロールが非常に長けて、広角に打ち分ける打撃で安打を量産。抜群の俊足を生かした走塁技術で出塁し、打球反応も速く、守備範囲の広い守備を見せる飛田だったが、一番の弱点は送球で、シートノックを見てもやや弱さを感じた。実際にこの試合も1点を先制された場面もセンターの飛田に転がった打球であった。

関東一の米澤 貴光監督はチャージが甘かったので、勇気を持って前進し、投げるように指示した。とはいえ、この土壇場であれほどのバックホームを投げるのは想像できない。この送球に正捕手の熊谷 俊之介(3年)は「絶対に止めるつもりでした」と大事に捕球し、タッチアウトを呼び込んだ。

試合後の取材では「めちゃくちゃ嬉しかったです」と笑顔。多くの報道陣から取材を受ける姿があった。

これまで課題としていたスローイングをこの舞台で発揮したことに、関東一の米澤監督は飛田の成長を実感していた。