激戦の1点差逃げ切った関東第一「春の忘れ物を取りに来た」 5年ぶり8強進出
関東第一3-2明徳義塾(16日、甲子園)
スタンドの熱気が高まっていく中、関東第一が1点差を逃げ切った。継投でしのぎ、内野陣も好守を連発した。試合巧者の明徳義塾を下し、5年ぶりのベスト8。米沢監督は「予想通りの(ロースコアの)展開。選手たちがプレッシャーを感じながら、よく耐えてくれた」と息をついた。
五回から3番手で登板した背番号1の坂井に命運が託された。勝利への執念が凝縮されていたのが、1点リードの七回の守備だ。坂井は連打を浴びて無死一、二塁とされたが、「もともとピンチに弱いので、絶対に抑えるという強い気持ちで向かっていった」。続くバントを自らの好判断で三塁で刺した。
さらに一、二塁間のゴロを小島がダイビングキャッチし、外野へ抜けそうな三遊間への当たりを高橋が三ゴロに仕留めた。坂井は「仲間のプレーがいきいきとしていた」と感謝。バックにももり立てられ、九回まで無失点でしのいだ。
春の選抜では開幕試合で八戸学院光星(青森)に延長の末に敗れた。最後にマウンドに立っていた坂井は「春の忘れ物を取りに来た夏」と強調。今大会は2試合で計11回無失点と好投をみせている。「借りは返せた。次も全力でいく」。チャレンジャーとしての戦いは続く。(丸山和郎)