ソフトバンクのドラ1ルーキー、前田悠伍が8回途中無失点 今季最多の103球、昨夏のライバルの投球に奮起、ノートに対戦相手を書いて研究も

AI要約

ソフトバンクのルーキー前田悠が力投し、中日を5-0で完封した。制球力と集中力が光り、後半切り抜ける姿勢を見せた。

前田悠はピンチを巧みに切り抜け、自身の成長を感じさせた。3度の走者出塁も併殺でしのいだ。

前田悠は前日の中日戦を振り返り、相手投手との過去の対戦や対戦者について研究し、結果につなげた意欲的な姿勢を示した。

ソフトバンクのドラ1ルーキー、前田悠伍が8回途中無失点 今季最多の103球、昨夏のライバルの投球に奮起、ノートに対戦相手を書いて研究も

 ◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク5―0中日(15日、タマスタ筑後)

 ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、前田悠伍投手(19)=大阪桐蔭高=が力投した。7回⅔、6安打無失点。今季最多の103球を投げて「頭が突っ込み気味で、真っすぐが若干浮いていたけど、カーブなどを使いながら回を重ねるごとに修正できたことはよかった」と振り返った。

 初回は三者凡退。2回はビシエドと加藤翔に連続長短打を許し、無死一、三塁のピンチを招いたが、続く三好を三球三振に仕留めるなど後続を抑えた。「投げミスは許されない場面で一球一球に集中した」。3回から7回までは3度走者を出したが、いずれも併殺で切り抜けた。

 8回は長短打で1死一、三塁とされたが、代打の鵜飼をツーシームで空振り三振。しかし、続く濱にストレートの四球を与えて2死満塁となりマウンドを降りた。2番手の鍬原が空振り三振で切り抜けたことで前田悠に失点はつかず「慎重になりすぎてしまった。鍬原さんには本当に感謝しています」と語った。

 ドラ1ルーキーの力投に、松山2軍監督は成長を感じ取った。「変化球が低めに決まり、真っすぐも力があった。丁寧に投げていた。(これまで)大体60球くらいでへばっていたけど、今日は一番ボールが落ちなかった。完封できればいいと思ったけど、最後はちょっとへばった。それでも登板ごとに成長している」

 中日との3連戦は刺激になることが多かった。13日の相手先発は、昨夏に大阪府大会決勝で投げ合った福田=履正社高=だった。かつてのライバルが投げる姿を見た前田悠は「最初は点を取られてしまったけど、その後はしっかり抑えていたのでやっぱり負けられない、絶対に抑えるという気持ちを持ちながらやった」と明かす。

 翌14日にはソフトバンク左腕の前田純が先発。前田悠は映像を見て対戦する打者の特長などをノートに書いた。「僕と純さんは似たような感じ。いつもは映像を見るだけだけど、それ以上にデータを頭に入れて臨んだ」。その成果もあって「ある程度、対戦相手を知った方が(打ち取る)確率が上がると思うので、これからはそうしていこうと思う」とうなずく。

 完封したかった気持ちはある。「今日みたいに、最後にふがいない形で終わってしまった。動画でチェックして、よかった点や修正点をしっかり見つめていきたい」と強調した左腕。降板しベンチに戻る際、観客から贈られた拍手は、さらなる成長を期待しているようだった。(浜口妙華)

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