【札幌記念】エアグルーヴの連覇達成時は単勝オッズ「1.3倍」 夏の頂上決戦を「記録」で振り返る

AI要約

札幌記念の歴史を振り返りつつ、近年の活躍に焦点を当てると、ハービンジャー産駒の成功が目立つ。

しかし、種牡馬別に見ると、サンデーサイレンスが最も馬券圏内に産駒を送り込んでおり、ハービンジャーは5回という結果に。

記事の中心は、2005年の札幌記念で伏兵のヘヴンリーロマンスが勝利し、続く天皇賞(秋)でも大波乱を巻き起こしたエピソード。

【札幌記念】エアグルーヴの連覇達成時は単勝オッズ「1.3倍」 夏の頂上決戦を「記録」で振り返る

夏競馬も本格化。今週は豪華メンバーが集う札幌記念が開催される。過去の勝ち馬にはソダシやブラストワンピース、ハープスターやアドマイヤムーンなど名馬がずらりと並ぶ。さらに2着馬もパンサラッサやラヴズオンリーユー、マカヒキにモーリス、ゴールドシップやブエナビスタなど、レベルの高さ証明している。今回は1986年以降の札幌記念に関する記録を振り返ってみたい。

近年の印象としてハービンジャー産駒の活躍が目立つ。過去10年の出走でブラストワンピース(2019年)とノームコア(2020年)が勝利を挙げるなど、馬券圏内は5回。なかでもペルシアンナイトは19年5着、20年2着、21年3着と勝利こそないものの3度も掲示板に入った。この素晴らしい安定感は見事としか言いようがない。

しかし、札幌記念の馬券圏内に産駒を送り込んだ種牡馬をランキング化してみると、ハービンジャーはトップではない。4回のDanehillとキングカメハメハが4位タイ、その上に5回のハービンジャー。2位は8回のディープインパクトで、トップに君臨するのがサンデーサイレンス。その数なんと15回である。同産駒は通算38回出走。マーベラスサンデー(1996年)を皮切りにサクラプレジデント(2003年)、ヘヴンリーロマンス(2005年)、フサイチパンドラ(2007年)と計4勝を挙げた。

特に2005年はヘヴンリーロマンスが9番人気で勝利しただけでなく、3着には同じくサンデーサイレンス産駒で13番人気と伏兵評価だったコイントスが激走。3連単275万超の波乱を巻き起こした。ヘヴンリーロマンスといえば、松永幹夫騎手とのコンビで活躍した名牝である。初勝利はダートだったが2勝目を函館の芝であげると、以降は芝を中心に活躍を続けた。

重賞初制覇は4歳年末の阪神牝馬S。メイショウバトラーやダイワエルシエーロ、オースミハルカらをまとめて差し切った。5歳シーズンは1月から4月まで毎月レースに出走するも4連敗。しかもそのうち3戦が二桁着順と不振が続いた。それでも休養明けの8月14日、札幌の牝馬限定戦・クイーンSに出走して10番人気2着となると、その翌週の札幌記念でまたしても激走。重賞2勝目を掴んだ。

10番人気2着、9番人気1着と札幌の連闘で波乱を巻き起こしたヘヴンリーロマンスだったが、その勢いは止まらない。札幌記念の次走が天覧競馬となった天皇賞(秋)。ゼンノロブロイやハーツクライ、リンカーン、タップダンスシチーといったそうそうたるメンバーが揃うなか、14番人気で差し切り勝ち。単勝75.8倍、3連単は12261.3倍の大波乱。馬上で最敬礼をした松永騎手の美しい所作も話題となった。

ヘヴンリーロマンスはその後、母としてもJBCクラシック勝ち馬アウォーディーやUAEダービー馬ラニらを輩出。産駒には牝馬も多く、これからも大きく牝系を広げることは間違いない。