【J2「真夏の進化」】清水、乾の絶妙ターン&スルーパス先制点から4点奪取圧勝 夏バテ知らずの攻撃力で首位浮上(1)

AI要約

清水エスパルスがホームで超攻撃的な試合展開を見せ、最下位のザスパ群馬を圧倒して4-0で勝利した。

清水は序盤から主導権を握り、カルリーニョス・ジュニオや宇野禅斗のゴールで先制。前半終了間際には、原輝綺がヘディングシュートで3点目を決めた。

後半も攻勢を緩めず、アブドゥル・アジズ・ヤクブのゴールで4-0の大勝。清水は勝点55で首位に立つ。

【J2「真夏の進化」】清水、乾の絶妙ターン&スルーパス先制点から4点奪取圧勝 夏バテ知らずの攻撃力で首位浮上(1)

「超攻撃的」が、ホームで躍動した。

 J2リーグ第26節が8月10、11日に行なわれ、2位の清水エスパルスは10日、最下位のザスパ群馬とホームで対戦した。

 清水は前節メンバー外だったDF原輝綺、DF山原怜音がスタメンに復帰した。システムはいつもの4-2-3-1である。さらに23節のジェフユナイテッド千葉戦で負傷したMF松崎快が、3試合ぶりにメンバー入りしている。

 一方の群馬はJ3降格圏からの脱出をはかるべく、夏の移籍市場でサンフレッチェ広島からMF仙波大志、V・ファーレン長崎からMF瀬畠義成、サガン鳥栖からFW河田篤秀とFW樺山諒乃介を獲得した。4人はスタメンに名を連ね、群馬は3-4-2-1のシステムで清水に挑む。

 序盤から清水が主導権を握る。キックオフ早々にMFカルリーニョス・ジュニオが決定機を迎えた。群馬はミドルブロックを敷いて対応してきたが、システムのミスマッチから清水はCBやボランチがフリーになり、チーム全体で前進していく。

 20分には先制する。CB高橋、ボランチ宇野禅斗がいずれもノープレッシャーでボールをさばき、宇野からMF乾貴士へ縦パスが入る。背番号33が巧みにターンすると、MFカルリーニョス・ジュニオへスルーパスが通った。3バックの左脇でボールを受けたブラジル人アタッカーが、GKとの1対1を制して冷静にネットを揺らしたのだった。カルリーニョス・ジュニオはシーズン4得点目だ。

 27分には追加点を奪う。右CKを獲得した清水は、山原がペナルティボックス外の宇野へグラウンダーのパスを送る。右足から繰り出されたシュートが、相手選手に当たってゴール右スミへ吸い込まれた。夏の移籍市場でFC町田ゼルビアから加入した宇野は、自身2試合連続ゴールだ。

 清水は前節に続いて2列目のカルリーニョス・ジュニオとルーカス・ブラガが内側に立ち、右SB原と左SB山原がタッチライン際に立って幅を取りながら、内側のレーンも使っていく。とくに原の神出鬼没な動きが、局面での数的優位と位置的優位を生み出していく。守備ではカウンタープレスを炸裂させ、群馬陣内でサッカーを続けていった。

 前半終了間際の45+1分、その原がチームの3点目を叩き出す。左ショートコーナーで相手の目線をズラすと、ゾーンディフェンスのすき間に入り込んだ原がヘディングシュートを突き刺したのだった。

 今シーズンの清水は、ホームで10勝1分と無敗を誇る。3対0はセーフティリードと言っていいが、「超攻撃的」を掲げるチームは後半も群馬のゴールに襲いかかっていく。

 秋葉監督は60分過ぎから交代カードを切り、フレッシュな選手を投入して攻撃のギアを上げていく。そして70分、FWアブドゥル・アジズ・ヤクブが、MF矢島慎也のスルーパスからダメ押しの4点目をゲットする。アジズは加入後初ゴールとなった。

 後半は群馬にボールを動かされる場面もあったが、前後半合計で23本のシュートを浴びせ、相手のシュートをわずか3本に抑えた。清水らしさを存分に発揮した内容で、勝点3を積み上げたのである。

 今節は首位の横浜FCと3位のV・ファーレン長崎が対戦し、スコアレスドローで勝点1を分け合った。その結果、勝点55の清水が首位に立っている。

 次節の対戦相手はヴァンフォーレ甲府だ。ここまで14位の甲府は、23節から大塚真司コーチが監督に昇格し、直近3試合負けなしの2連勝と調子をあげている。それでも、舞台はIAIスタジアム日本平である。得意のホームゲームで、清水は首位街道を走っていく。