娘・元木咲良の金にシドニー五輪出場の父・元木康年さんも感激 「運動会で走ったり、授業参観を見るだけでもうれしいんだもん。娘の金メダルはうれしいに決まっている」/レスリング

AI要約

元木咲良がレスリング女子62キロ級で金メダルを獲得し、父親の喜びを語る。

康年さんは自衛隊出身であり、娘には性別に関わらずレスリングをさせることを決めていた。

娘は逃げ出すこともあったが、成長して金メダルを手に入れた。

娘・元木咲良の金にシドニー五輪出場の父・元木康年さんも感激 「運動会で走ったり、授業参観を見るだけでもうれしいんだもん。娘の金メダルはうれしいに決まっている」/レスリング

パリ五輪第15日・レスリング(日本時間11日、シャンドマルス・アリーナ)レスリング女子62キロ級決勝で、元木咲良(22)=育英大助手=がイリーナ・コリアデンコ(25)=ウクライナ=に12―1でテクニカルスペリオリティー(TS)勝ちし、金メダルを獲得した。

祈るように娘の試合を見つめた父の康年さん(54)は、娘の金メダルに感慨もひとしおの様子。「運動会で走ったり、授業参観を見るだけでもうれしいんだもん。娘の金メダルはうれしいに決まっている」と笑った。

康年さんは実家の農家を継ぎたくない一心で、高校卒業と同時に自衛隊に入隊。高校まで柔道をしていたセンスを見いだされ、20歳からレスリングを始め、30歳でシドニー五輪に出場した。前十字靱帯(じんたい)の断裂など膝だけで3度もメスが入るなどけがも多かった。2021年に娘も同じけがをし「そんなところまで似なくていいのに」と苦しんだこともある。

父親になると分かったときから、性別関係なくレスリングをさせると決めていた。ところが、握手をしないと試合が成立しないルールの中で「握手こわいー」と逃げ出し、棄権することもあった。「参加費4000円を払って、朝5時に起きて試合に行ったのに棄権だからね。幼稚園の頃は辞めさせようかと思った」と懐かしむ。

それでも小学校に入学してからは試合が成立するようになり、4年生ぐらいから徐々に勝てるようになったという。いばらの道を経てつかんだ金メダルは、父と娘の悲願がつまった結晶でもある。(角かずみ)