磨き続けた技で頂点 元木、金メダルで親孝行―レスリング女子〔五輪〕

AI要約

元木は五輪で金メダルを獲得するための技術を披露し、会心の勝利を収める。

過去の敗北をきっかけに自信をつけ、準備を重視するようになる。

父への感謝を込めて、最高のプレゼントを贈ることができた。

磨き続けた技で頂点 元木、金メダルで親孝行―レスリング女子〔五輪〕

 元木は大一番で、積み上げてきた技術を披露した。

 先に相手にポイントを奪われた決勝。焦らず、五輪のために磨き続けた足首を狙う片足タックルの「ローシングル」から逆転に成功。第2ピリオドでもこの技を起点にポイントを重ねて試合を決めた。「たくさんの人に教えてもらって高めた技。これで金メダルを取ろうと思っていた」。会心の勝利になった。

 ここ数年で力を付けてきた。契機は2022年世界選手権。準決勝で敗れて結果は3位で「自分は弱い」と自信をなくした。そんな時、かつて膝をけがした際にリハビリを担当してくれたトレーナーに相談した。「自信がないことも強みだよ」。このアドバイスで意識が変わった。

 自信がないからこそしっかり準備をする。対策を入念にして試合に臨むことができる。何度も自分の得意技を練習して不安を解消。初の五輪でもその姿勢を貫いた。

 スタンドで父の康年さんが見守っていた。00年シドニー五輪代表。引退後はコーチも務めたが、世界チャンピオンを育てるという目標は果たせなかった。元木は、父がそれを心残りにしていたことも知っていた。

 「娘である自分がかなえることができたのは、一つの親孝行になったのかな」。レスリングを始めるきっかけを与えてくれた父へ、最高のプレゼントを贈ることができた。