【陸上】マイル侍が日本新記録で決勝、佐藤拳太郎「足が引きちぎれても」悲願メダルへ決意

AI要約

日本は2分59秒48の日本新記録で男子1600メートルリレー予選を通過。20年ぶりの決勝進出を果たす。

佐藤拳の執念の走りがチームを鼓舞し、全員が団結して目標に向かって進む姿が描かれる。

佐藤拳は静かな情熱を秘め、悲願のメダルを目指して決勝への意気込みを語った。

【陸上】マイル侍が日本新記録で決勝、佐藤拳太郎「足が引きちぎれても」悲願メダルへ決意

<パリオリンピック(五輪):陸上>◇9日◇男子1600メートルリレー予選◇フランス競技場

 日本は2分59秒48の日本新記録で決勝に進出した。予選1組で中島佑気ジョセフ(22=富士通)-川端魁人(25=中京大クラブ)-佐藤風雅(28=ミズノ)-佐藤拳太郎(29=富士通)とつないで4着。着順で突破できる3着以内は逃したが、従来の日本記録を0秒03更新。全体4番目のタイムで、04年アテネ五輪以来5大会ぶりの決勝に進んだ。

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 執念の走りだった。1走中島が3位につけると、2走川端、3走佐藤風も順位をキープ。最年長29歳で左アキレス腱(けん)痛を抱える4走佐藤拳は1つ順位を落としたが、力を振り絞った。着順で進出する3着は逃したものの、予選全体4位。20年ぶりに決勝の扉を開き、佐藤拳は「達成できてまずはよかった」と胸をなで下ろした。

 マイルリレーにかけてきた。4日の400メートル予選では佐藤拳、佐藤風、中島が予選を突破できず。今大会から採用された敗者復活戦に回ることになったが、チームで話し合って全員が棄権した。

 それぞれ葛藤はあったが、佐藤拳の「(リレーで)とにかくメダルがほしい」の言葉に「何をいまさら言っているんですか。当たり前ですよ」と声をそろえた。昨夏の世界選手権で同リレー予選敗退を経験した佐藤風は「今はチームの雰囲気が1つになっている」と言う。個人種目からの撤退は勇気が必要な選択だったが、足並みをそろえてきた。

 アテネ五輪では過去最高の4位に入ったが、以降は4大会連続予選敗退。その間に400メートルリレーは2度の銀メダルを獲得した。「リレーといえば400メートル」。そのムードへの悔しさも胸に、パリにやって来た。

 佐藤拳は決勝へ「今回の日本記録では全然足りない。今日以上の走りができるように準備していきたい。足が引きちぎれても走ります」と決意。悲願のメダルへ、静かな語り口で言葉に熱を込めた。【藤塚大輔】