【陸上】コロナ陽性で200メートル銅のライルズ、なぜ走ることが許されたのか?

AI要約

ノア・ライルズは新型コロナウイルス感染の中、200メートルで銅メダルを獲得。流れや内情を明らかに。

感染を受けても出場を決めた理由や苦しい状況、ライルズの振り返りも掲載。

決勝では相手に事前情報を与えず、金メダル獲得後ライルズは次のリレーをキャンセルし引退を表明。

【陸上】コロナ陽性で200メートル銅のライルズ、なぜ走ることが許されたのか?

 男子100メートルで金メダルを獲得したノア・ライルズ(27=米国)が8日、新型コロナウイルスに感染しながら200メートルに出場し、19秒70のタイムで銅メダルを獲得した。

 オンラインメディア「インディペンデント」は9日に「なぜノア・ライルズは新型コロナウイルスに感染しても走ることが許されたのか」と題して、出場までの流れを説明している。

 21年東京五輪では、感染者は隔離されることになっていたが、3年後のパリでは他の呼吸器疾患と同様に扱われていることを説明。その上で、米国陸上競技連盟は「私たちは彼の健康、チームの健康、そして他の競技者の安全を優先するために、必要なすべての手順を迅速に進めた」と声明を発表し、五輪で定められたガイドラインを完全に順守していたとされた。声明では「徹底的な医学的診断の結果、ノアは出場することを選択した。私たちは彼の決断を尊重し、引き続き彼の状態を注意深く監視していく」と出場に向けて動いたことが示された。

 6日早朝の検査で陽性反応が出たライルズは選手村近くのホテルに隔離されたというが、これを知っていたのは「医療スタッフ、コーチと母だけだった」という。ここからの状態についてライルズは「間違いなく私のパフォーマンスに影響を与えた。何度も休まなければならなかったし、一晩中咳き込んでいた」と振り返っている。

 ライルズは翌日に200メートル準決勝に出場。明らかなコンディション不良の中でも2組2位で決勝進出を決めた。この時点では「相手に優位を与えたくなかったから、胸にしまい込んでいた」とライルズは陽性反応を明かしていなかった。

 予選でライルズを抑えて決勝に進み、最終的に金メダルに輝いたレツィレ・テボゴ(21=ボツワナ)は、決勝レース前にライルズがマスク姿でウオーミングアップしている姿を見て「何かがあったのではないかと思った」と振り返ったが、新型コロナウイルスに感染していることは知らなかったといい、ライルズの思惑通りの中で決勝が行われることになった。

 決勝レース後、車椅子で会場を後にしたライルズは、出場予定だった400メートルリレーと1600メートルリレーには出場をキャンセル。自身のSNSに「24年五輪はこれで終わりだと思っている。夢見た結果ではなかったが、多くの喜びがあった」とつづった。