コロナ感染を隠して出場強行した米ライルズをめぐって議論沸騰！　本人はシークレットとしたことに「なぜライバルを優位に立たせるのか」【パリ五輪】

　陸上男子100メートル王者のノア・ライルズ（米国）が8日の200メートルで銅メダルに終わった後、2日前の検査で新型コロナウイルスに陽性反応を示していたことを明らかにした。

　ライルズは100メートルで金メダルを獲得した後に、2冠を目指し、200メートル決勝に進出しながら、銅メダルに終わり、車いすでトラックを後にしていた。

　日頃からぜんそくを患うライルズはレース前にもマスクを着用していたが、レース直前の選手紹介の際にも体調を崩しているそぶりはなく、トラックでジャンプしたり、普段通りの姿を見せていたが、実はコロナに感染していたというのだ。

　この点について米アスリート界でも話題が持ちきりになっているという。英メディア『Daily mail』では米国『NBC』で行われたライルズのインタビューを紹介しながら、記事を形成。

　ライルズはインタビューの中で6日の起床時に体調が悪かったことを明かしながら「100メートルから来る痛みだけではないことは分かった。ドクターを起こして検査してもらったら、残念ながら新型コロナウイルスに陽性の結果が出た」と説明。

　200メートル決勝の2日前に感染が判明した後は、選手村近くのホテルで隔離措置を取り、回復に努めていたとされる。

　またコロナ感染を知っていたのは、医療スタッフや家族など一部にとどまっていたという。

　コロナは感染する病気でもあり、レース中はほかのアスリートとも接触する機会は増えることで知らせる考えはなかったのかと聞かれると、ライルズは「みんながパニックに陥ることを望んでいませんでした」とした上で、こう続けたとされる。

　「競合他者に病気だと言いたくなかった」「僕は競争力がある」「なぜライバルを（教えることで）優位に立たせるのか？」と競争心あふれるアスリートしての本能を示したという。　

　ライルズは、200メートルの自己記録が世界歴代3位の19秒31。2023年世界選手権では200メートルの3連覇を達成し、15年大会のウサイン・ボルト（ジャマイカ）以来となる100メートル、400メートルリレーを含めた3冠を果たすなど、陸上界のレジェンドスターとして知られる。

　注目されたレース続行に関してはライルズは9日に、自身のインスタグラムで「2024年のオリンピックはこれで終わると思う」と投稿し、出場を予定していた他の種目への参加を断念することを示唆。一方、SNS上では今回の＂コロナ感染出場＂をめぐって「それでも銅メダル取れるのはすごい！」という声とともに、「周りの人にうつさない対策は？」「コロナ感染して出場は美談にならない」と厳しい見方も示されている。

［文／構成：ココカラネクスト編集部］