バスケ男子福岡大大濠、ダークホースに苦戦 湧川裕斗主将のスリーで突き放す【全国高校総体】

AI要約

福岡大大濠が鳥取城北を逆転し、3年ぶりの準決勝進出を果たす。

主将の湧川裕斗がチームを牽引し、相手の高確率シュートを跳ね返す活躍を見せる。

湧川はステフィン・カリーを参考にしてシュート力を磨き、勝利に貢献する。

バスケ男子福岡大大濠、ダークホースに苦戦 湧川裕斗主将のスリーで突き放す【全国高校総体】

 ◆全国高校総体・バスケットボール男子準々決勝 福岡大大濠66―56鳥取城北(7日、福岡市・照葉積水アリーナ)

 第1シードの福岡大大濠は鳥取城北に最大13点のリードを許しながら逆転し、3年ぶりに準決勝進出を果たした。

 主将の湧川裕斗がチーム最多の20得点。劣勢の第2クオーター(Q)に3本の3点シュートを決めて詰め寄り、第4Q残り37.5秒でもこの日4本目のスリーを沈めて勝利を決定づけた。

 相手のシュートが高確率で決まる嫌なムードを断ち切った。24―33で迎えた第2Q残り3分を切って湧川はこの日最初の3点シュートを右45度の角度から決めた。「1本目が入って『次も入る』と思いました。打つしかない」。直後のオフェンスでパスを受け取ると迷いなくリリース。連続スリーで相手にタイムアウトを取らせた。

 第3Qもリードを奪えない展開。終盤には脚がつるアクシデントに見舞われベンチに下がると、片峯聡太監督から一喝された。「おまえがやらなきゃ誰がやるんだ。甘えはいらない」。第4Q残り5分58秒でコートに。監督からは湧川を生かすセットプレーを使うように伝えられた。「先生が託してくださったので、高田(将吾)のシュートや自分のスリーにつなげられてよかった」。時折脚を引きずりながらも逆転勝利に貢献した。

 優勝候補として相手に対策される中、湧川は徹底マークを受け続けている。ドライブを仕掛けてタフショットを選択する悪癖があった。春から参考にするようになったのは米プロバスケットNBAのスーパースター、ステフィン・カリーだ。オフボールの動きやパスを出した後にフリーになる「リロケート」の速さに気付いた。「ドライブした後に3点シュートを打てる場面に移っているし、マークのはがし方もうまい」。高校トップクラスのシュート力を生かすすべを磨いた。

 最終盤で決めきった主将の働きに片峯監督は「高校生なので最後は誰がやるかというところに落ち着くんです。今日はそういう勝ち方ができた」とたたえた。

 湧川にとってインターハイは初出場となる。8日からはメインコートでの戦いが始まる。「緊張せずいつも通りに戦いたい。(準決勝の相手の)美濃加茂さんにはサイズで勝っている。リバウンドで勝てれば、自分たちのゲームになる」。頂点まであと二つ。地元開催のインターハイ制覇に導いてみせる。