2人目の”性別検査失格”女子ボクサーが圧倒勝利、トランスジェンダー疑惑にICOは「でっちあげられたもの」と反論

AI要約

フランス・パリで行われている五輪女子ボクシングのフェザー級戦で、23年の世界選手権で失格となった選手が再び注目を集める。

性別検査の論争や運営の不透明性が明らかになり、IOCとの対立が浮上している。

選手たちの今後の試合や性別検査について、国際的な議論が続く中、世論は二分されている。

2人目の”性別検査失格”女子ボクサーが圧倒勝利、トランスジェンダー疑惑にICOは「でっちあげられたもの」と反論

 8月2日(金・現地時間)フランス・パリで行われている五輪女子ボクシングのフェザー級戦で、23年の世界選手権で”性別検査失格”とされたリン・ユーティン(台湾)は、シードの2回戦を全ラウンドを取る5-0判定勝利で突破。ユーティンは歓声とブーイングの中、コメントせずに会場を後にした。

 現在論争されている”性別検査失格”の論争についてIOCは「これはトランスジェンダーのケースではない」と主張、問題の性別検査も「でっちあげられたもの」と語り、世論も2分している。

 パリ五輪の女子ボクシングに出場している、ウェルター級のイマネ・ケリフ(アルジェリア)とユーティンは、23年のIBAが運営する世界選手権で、テストステロン検査での血液の数値が”高すぎる”とされ、ケリフは決勝戦前に失格、ユーティンは銅メダルをはく奪された。

 IBA会長のウマル・クレムレフ氏(ロシア)は、両選手が”XY染色体(男性)”を持っていたと語っていたが、BBCなど海外主要メディアによると、現在のところ検査内容の詳細は不明である。

 

 その後、IBAは”審判員の不誠実さ、財務の非透明性”等の理由で、五輪ボクシング競技を運営する権利を剥奪された。

 代わりに運営を引き継いだIOC統治下のパリボクシングユニットは、ケリフとユーティンの「過去三ヶ月以内の医療当局による証明書」を基準に、五輪参加を承認している。

 1日の試合でアルジェリアのケリフは、相手選手の棄権によりシード2回戦を突破。衝撃的なニュースに、ネットでは「トランスジェンダー、または性分化疾患の人間を女性の試合に出すべきではない」と批判の声が高まっていた。

 

 これを受け2日、IOCは改めて声明を発表し「アルジェリアのボクサーは女性として生まれ、女性として登録され、女性として人生を送り、女性としてボクシングをし、女性のパスポートを持っている」とあくまで女性であるという。

 さらに「これはトランスジェンダーのケースではない。男性と女性が戦っているという誤解があるが、事実ではなく科学的なコンセンサスがある」と主張した。。

 

 またIBAの”性別検査”については「どのようなものか具体的に明らかにされていない。世界選手権の結果を変えるために、でっち上げられたものである可能性がある」ともコメント。

 ケリフが検査で失格したのは、ロシア選手との決勝戦前であり、このことを指していると思われる。

 IOCは以前にも、2人の選手の五輪参加について「競技の資格とエントリー規則、および適用されるすべての医療規則に準拠している」と発表していた。

 なおユーティンは、23年の世界選手権後、台湾の自国検査でホルモン検査に合格しており、ケリフの母国アルジェリアも異議を呈している。

 ユーティンとケリフは東京五輪にも出場しており、ユーティンは入江聖奈のライバルとしても知られていた。