“性別騒動”の女子ボクサーに敗れ…イタリアの女性首相が言及「公平な土俵ではなかった」46秒で棄権したカリニ涙「一発のパンチが痛すぎた」【パリオリンピック】
イマネ・ヘリフ（アルジェリア）が性別問題を巡る論争の中、パリ五輪ボクシング女子６６キロ級での２回戦を制し、準々決勝進出。
イタリアのアンジェラ・カリニが試合中に棄権し、ヘリフの性別に対する疑念が持ち上がる。
国際オリンピック委員会の『資格規定』を満たしているとされたヘリフは、試合後の論議を経て次の試合に臨む。
◇１日 パリ五輪 ボクシング女子６６キロ級２回戦（パリ北アリーナ）
アンジェラ・カリニ（イタリア）が開始４６秒で棄権し、イマネ・ヘリフ（アルジェリア）が準々決勝に進んだ。ただ、この一戦を巡っては、ヘリフが昨年の世界選手権での性別テストで男性の可能性があるとして出場権を剥奪された過去があり、棄権負けしたカリニ陣営はヘリフの性別に疑念があると主張。イタリアのメローニ首相が「試合は公平な土俵ではなかった」と言及する事態にまで発展した。イタリア紙「コリエレ・デラ・セラ」（電子版）が伝えた。
同紙によると、イタリア選手団を訪問したメローニ首相が「カリニとヘリフの試合はフェアな戦いではなかった」などと語ったという。一方、カリニは試合後、「私は裁く人間ではない。この相手がここにいるなら、そこには理由があるだろう。私は裁く人間でも、決断を下す人間でもない。私は戦うためにリングに上がった。諦めてはいなかったが、一発のパンチが痛すぎたので、もういいと言った」と涙ながらに語ったと報じた。
一方、フランス紙「フィガロ」（電子版）は、「カリニが、高濃度のテストステロンが検出された選手を前に棄権したことが物議を醸した」などと詳報。「ヘリフはトランジェンダーではなく、女性として生まれたボクサーであり、ハイパーアンドロゲン（男性ホルモンのレベルが高いこと）である。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）によれば、彼女は『資格規定』を満たしているとしてパリ五輪への出場が認められた」などと伝えた。
２回戦を勝ったヘリフは３日の準々決勝でハモリ（ハンガリー）と対戦する。また、ヘリフは東京五輪のライト級に出場し、準々決勝で敗退していた。
