五輪=IOC、女子ボクサー非難に「心痛む」 性別適格騒動で

AI要約

国際オリンピック委員会は、性別適格性検査に合格できなかった女子ボクサー2人の出場を認める判断を擁護。

女子ボクサー2人は男性の性染色体を持つため、規定違反で失格となったが、IOCが競技を統括することになったため出場が認められた。

両選手は批判にさらされながらも試合に臨み、IOCは選手に差別されずスポーツをする権利があると強調。

五輪=IOC、女子ボクサー非難に「心痛む」 性別適格騒動で

[パリ 1日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)は1日、昨年のボクシング世界選手権で性別適格性検査をクリアせず失格になった女子2選手の出場を認めた判断を擁護し、両選手が国際ボクシング協会(IBA)の恣意的な決定が理由で攻撃を受けていると主張した。

性別適格性の問題では、昨年の世界選手権でイマネ・ヘリフ(アルジェリア)と林郁婷(台湾)が男性のXY性染色体を持つ選手の女子競技出場を禁じるIBAの規定違反で失格となった。

ただ、IBAは昨年にガバナンス問題でボクシング統括団体としての地位を剥奪され、パリ五輪では国際オリンピック委員会(IOC)が競技を統括することになったため、両選手の出場が認められていた。

1日にはヘリフが女子66キロ級2回戦でアンジェラ・カリニ(イタリア)と対戦。猛攻を受けたカリニが開始46秒で棄権し、試合後にはヘリフの握手を拒んだ。女子57キロ級に出場する林の試合は2日に行われる。

IOCは声明で、IBAが両選手を失格にした決定は恣意的で、騒動の主因は英作家J・K・ローリング氏や米事業家イーロン・マスク氏らがこうした選手の五輪出場に反対していることだと指摘。「IBAのウェブサイトで公開されている議事録によると、事務局長と最高経営責任者(CEO)だけが当初決定を下していた」などと説明した。

さらに「IOCは2選手が現在受けている悪口に心を痛めている」とし、「全ての人には差別されずスポーツをする権利がある」と強調した。