「ほとんど負け試合」を経験した中京大中京が試合前の瞑想で集中力アップ!コールド勝ちで2年連続の決勝進出【24年夏・愛知大会】

AI要約

中京大中京が日本福祉大附を7-0で下し、準決勝に進出。

中井遙次郎投手のタイムリーヒットで先制し、福田心穏選手も打点を重ねる活躍。

両チームの投手が好投し、中京大中京が7回コールドゲームで勝利を決める。

「ほとんど負け試合」を経験した中京大中京が試合前の瞑想で集中力アップ!コールド勝ちで2年連続の決勝進出【24年夏・愛知大会】

<第106回全国高等学校野球選手権愛知大会:中京大中京7―0日本福祉大附>26日◇準決勝◇岡崎レッドダイヤモンドスタジアム球場

 昨年は決勝で愛工大名電に敗れた中京大中京。準々決勝の名古屋たちばな戦では、「ほとんど負け試合という展開だった」(高橋 源一郎監督)という試合だったが、何とか逆転勝ちして、4強に進んできた。

 その中京大中京に挑む日本福祉大附は初めてのベスト4という舞台である。今大会はここまで美和、岡崎東、昨秋のベスト4の小牧南を破るなどして勢いのあった東郷を下してベスト8。準々決勝では試合巧者の至学館を2対1で制し、勝ち上がってきた。

 かつて鹿児島県の神村学園を率いて甲子園出場を果たした実績のある山本常夫監督が就任して、徐々に力をつけてきている。今春の県大会もベスト8に進出して今大会は初めてのシード権を獲得。しっかり知多地区の雄としての地位を築きつつある。中京大中京には昨秋、今春と敗れている。それだけに、「今度は何とかしていきたい」という思いで挑んだ。

 両チームの背番号1の投手同士の先発となった試合。

 中京大中京が2回、8番中井 遙次郎投手(3年)自らのタイムリー打で先制する。中井投手は前の回の投球で左足に打球を受けていた。そんな中でのタイムリー打。ベンチの仲間の心に火をつけた。押し出しでこの回2点を奪うと、3回にも二死二塁から7番福田 心穏選手(3年)が左前打して3対0とする。

 しかし、日本福祉大附の澤田 正吾投手(3年)も、しっかりと立ち直って自分の投球をしていって反撃を待った。

 だが、さすがに中京大中京の守りは厚かった。打球が当たった中井投手は大事を取って3回で退き、4回からは同じ左腕の佐藤 爽楽(2年)投手が登板。3~6回を3人ずつで完全に抑えた。7回に日本福祉大附は先頭の吉川 侑摩選手(3年)がチーム初安打を放つと、中京大中京はすぐに動いて、3人目として田中 太久哉投手(2年)が投げて、後続3人をしっかりと抑えた。

 そしてその裏、中京大中京は一番からの好打順で神谷 倖士朗選手(3年)、岡部 純陽選手(2年)の連打から始まり、2つの押し出しなどがあり、最後は福田選手が満塁から左中間へ安打を放って7点差となりコールドゲームが成立した。

高橋源一郎監督は、こう語る。

「2回の中井の先制打がチームに勇気を与えてくれたことは確かです。それに、野手陣にも気合が入った。

 ウチは前の試合(準々決勝、対名古屋たちばな戦)で一度、負けていますから。試合前のミーティングでは、瞑想時間を作って、その試合のことを振り返りました。そうした中で、この試合に挑めました」

 日本福祉大附の山本監督は、「ここからの壁がまた、厳しいと思います。“私学4強”の選手たちに比べたら、それを越える力はありません。だけど、そんな選手たちが一つひとつ努力してきて、ここまで来られたことはよかったと思います」と、選手たちが、ひたむきに努力してきた成果だということを強調していた。

 そして、「ウチは、特別に選手の枠があるというところでもありませんから、地元で来てくれた選手たちだけでチームを作っていかなあかんのです。それでも、今大会みたいな戦いをしていくことで、ウチへきて野球をやりたい…という子が一人でも増えてくれたら、そんな選手たちをまた、鍛えていきたいと思っています」と、また次への思いを語っていた。