【ブル中野連載#最終回】WWE殿堂入りスピーチは部屋中に紙を張ってめちゃめちゃ練習

AI要約

元プロレスラーのブル中野がWWEの「ホール・オブ・フェイム」入りしたセレモニーについて振り返る。

スピーチの準備に苦労し、英語のスピーチを成功させたことや、他のレスラーやファンとの交流を楽しんだ様子。

現在は日本人選手を海外に送り出す仕事をしており、今後もプロレス界で活躍し続ける意欲を語る。

【ブル中野連載#最終回】WWE殿堂入りスピーチは部屋中に紙を張ってめちゃめちゃ練習

【ブル中野・告白(最終回)】「WWE」の2024年名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」入りした私は、4月5日(日本時間6日)にペンシルベニア州フィラデルフィアのウェルズファーゴセンターで開催されたセレモニーに参加しました。

 観客数は2万~3万人くらいなので、全然平気なんですけど、英語のスピーチがとにかくヤバイぞと(笑い)。間違えたら取り返しのつかないことがわかっていましたし、感情を入れて英語でスピーチをすることなんてやったことがありません。まずは伝わることが一番だし、とにかく間違えないようにしないといけないなって思いました。

 事前に、こういうことを言いたいというのを日本語で渡して、それが英語で返ってくるんですけど、内容が3回も変わったんですよ。そのたびに覚えるという…。部屋中に紙を張って、めちゃめちゃ練習しました。WWEのスタッフの方が読んだものを録音してもらって毎日聞きましたね。ただ、その方が男性なので、女性の方が話す感じとは違うかなと思い、日本で英語の話せる女性の方を見つけて読んでもらったりもしました。

 おかげさまでスピーチは多くの方に褒めていただきました。あのセレモニーは、みんなでつくったもの。アランドラ・ブライズ(メデューサ)も来てくれ、ファンもコールをしてくれて一つになりました。バックステージではジ・アンダーテイカーとか、1―2―3キッドと会いました。キッドが子供じゃなくなっていたからビックリ。イヨ・スカイさん、カイリ・セインさん、アスカさんと写真も撮りましたね。

 今は多くの日本人がWWEで活躍しています。当時は本当につらかったですけど、今はそんなにつらい感じではなく、みんな生活できてると思います。英語の授業とかも、WWEの中でやってくれるみたい。私の経験もあったから改善されたこともいっぱいあったと思います。それに「日本人=ヒール」じゃない感じになっていると思うので、私がやってきたことも無駄じゃなかったなって。

 今は「SUKEBAN」(※)のコミッショナーとして日本人をどんどん海外に輩出していく仕事をしています。SUKEBAN以外でも、この流れが主流になっていくでしょう。自分の中でプロレスが好きだとわかっていて、そのために何をすればいいかも徐々に考えていきながらの今があるので、今後もこの生活は変わらないですね。

 日本でブル中野を育ててくれた恩返しをするとともに、米国でもブル中野を受け入れてくれたことに対する感謝をこれからの人生でも伝えたいです。最後に…。私は生まれ変わっても「ブル中野」になると思います。

※昨年9月に旗揚げした米女子団体。ウナギ・サヤカら日本人選手が参戦する