FIFAに対して法的措置へ…選手会&欧州リーグ機構が過密日程を非難「選手の健康が脅かされている」

AI要約

ヨーロピアンリーグ機構とFIFPROは、過密日程に関するFIFAへの訴訟を起こすことを発表。

FIFAはクラブ・ワールドカップ方式変更により過密日程の懸念が高まる中、FIFPROとの協議を強調。

ヨーロピアンリーグ機構とFIFPROはFIFAの一貫性に疑問を呈し、法的措置が不可避とする声明を発表。

FIFAに対して法的措置へ…選手会&欧州リーグ機構が過密日程を非難「選手の健康が脅かされている」

ヨーロピアンリーグ機構とFIFPRO(国際プロサッカー選手会)は、近年の過密日程に関してFIFA(国際サッカー連盟)に訴えを起こすと発表した。

近年大きな話題となっている過密日程。これまでユルゲン・クロップ前リヴァプール監督や各国のスター選手たちなど、実際に試合に関わる人間から度重なる批判が展開されてきた。しかし、FIFAは2025年からクラブ・ワールドカップの方式を変更。6月~7月にかけて参加チームを「32」まで増やしたことにより(開催は4年ごと)、FIFPROはさらなる過密日程を懸念して抗議の声明を発表していた。

しかし、FIFA側はこの訴えに対して「国際フットボールの最善の利益のため、フットボール・カレンダーを実現するための義務と責任がある」と説明し、クラブ・ワールドカップも含めた2025~2030年のフットボール・カレンダーについてFIFPROとWLA(世界リーグ協会)と協議したことを強調していた。

そしてこの状況に、ヨーロピアンリーグ機構とFIFPROが訴訟を起こした。今回の声明では「FIFAの行為はEU(欧州連合)競争法に違反している」とし、以下のように続けた。

「残念ながら、FIFAは一貫して国内リーグや選手組合を意思決定プロセスに含めることを拒否してきた。国際試合日程は飽和状態を超えており、各リーグにとっては持続不可能になっている。選手の健康も脅かされている。過去数年に渡るFIFAの決定は、繰り返し自らの競技会や商業的利益を優先しており、統括団体としての責任を怠るとともに、各国リーグの経済的利益や選手の福祉を損なってきた」

「現在、ヨーロピアンリーグ機構やFIFPROがフットボールとそのエコシステム、そして関係者をFIFAの一方的な決定から守るためには、法的措置が唯一の責任ある手段である」

また『The Athletic』によると、FIFPROの理事でプロフットボール協会(PFA)CEOのマヘタ・モランゴ氏は、リーグや選手側からの要望が無視されたため、訴訟は「残念だから避けられない」と語っている。

「FIFAが下す試合日程に関する決定が影響を及ぼしている。イングランドでは、国際大会の拡大によってFAカップの構造変更を強制された。こういった変更は、我々のすべてのメンバーとキャリアに多大な影響を与える。これは、我々が長い間何度も警告してきた連鎖的な影響である」