八村塁が加わった歴代最強男子は7月27日にドイツ、女子は7月29日にアメリカと対戦──パリ2024オリンピック特集「注目競技見どころ解説・バスケットボール編」

AI要約

バスケットボール男子日本代表が歴代最強のメンバーでオリンピックに挑む。八村塁を含むメンバーでの8強入りを目指す。

対戦相手を翻弄し、勝利を手繰り寄せる戦略が必要で、“八村頼み”を回避した戦いを展開する必要がある。

バスケットボール女子日本代表も2大会連続のメダル獲得を目指し、走り切るシューター軍団のコンセプトでチーム力を高めている。

八村塁が加わった歴代最強男子は7月27日にドイツ、女子は7月29日にアメリカと対戦──パリ2024オリンピック特集「注目競技見どころ解説・バスケットボール編」

八村塁が加わり歴代最強メンバーが揃ったバスケットボール男子は7月26日にドイツと初戦。2大会連続メダルを目指す女子は7月29日にアメリカと対戦!

バスケットボール男子:7月27日(土)日本対ドイツ

放送予定:NHK総合(20:30)

バスケットボール女子:7月29(月)日本対アメリカ

放送予定:NHK総合(28:00)

48年ぶりに自力でオリンピックの切符を獲得したバスケットボール男子日本代表は、昨夏のワールドカップ(W杯)のメンバーに、NBAロサンゼルス・レイカーズに所属する八村塁を加えたメンバーで8強入りを目指す。

東京大会以来3年ぶりに代表復帰した大黒柱の八村、NBAで日本人最長の6シーズンプレイし、千葉ジェッツ加入が決定した渡邊雄太が揃い踏み。さらに、パリオリンピック後にエグジビット10契約でNBAのキャンプに参加する河村優輝と富永啓生の新世代スターも名を連ね、歴代最強とも言われる。

東京大会では、守備、運動量、走力など、世界トップクラスと戦うには差を埋める必要があると痛感した八村は、「すべて20点差くらいで負けていたり、やり切った感じがなかった。僕らのレベルが上がっている中でもう一度やれることが嬉しい。東京オリンピックの想いを込めて戦いたい」と前回3連敗したリベンジを約束。

ただ、八村がNBAで得た経験や存在感は代表にとっても大きな武器となるが、いかに相手に的を絞らせない戦いができるかどうかが勝利の鍵となるだろう。“八村頼み”は回避したいところ。さらに若き司令塔・河村いかに八村を生かすことができるかにも注目したい。

河村と同じ年の富永は日本代表が掲げるベスト8という目標達成のポイントとして3Pシュートの確率を挙げる。昨夏のW杯でも躍動した河村と富永の23歳のコンビ。1次ラウンドのドイツ戦から攻撃で相手を翻弄し、チームを勢いに乗せてほしい。

東京オリンピックで世界を席巻した女子日本代表は2大会連続のメダル獲得を目指す。

前回大会でアシスタントコーチを務めていた恩塚亨のもと、日本の強みを最大限に生かす「走り切るシューター軍団」のコンセプトを掲げ、2年半かけてチーム力を上積みしてきた。

チームの成長に前キャプテンの34歳のベテラン、髙田真希も「最初はうまくいかないこともあったけれど、恩塚さんの目指しているバスケに自分たちがフィットしてきた。40分間、前からアグレッシブにディフェンスを仕掛けて、オフェンスでも足を止めず展開していけるのが自分たちの持ち味」と選手たちも手応えを感じている。

パリで世界一に挑む12人は全員がオリンピック経験者だ。髙田からキャプテンのバトンを引き継いだ林咲希を始め、馬瓜エブリン、町田瑠偉、宮崎早織ら東京オリンピックのメンバーから9人。チーム最年長の吉田亜沙美はリオオリンピック以来2大会ぶりの出場で、馬瓜ステファニーと山本麻衣は3×3で東京大会を経験。金メダルを目指せる最強メンバーが揃った。

まずは予選リーグの初戦、アメリカ戦が最初の山となる。東京大会決勝でも敗れている世界ランク1位で大会7連覇中の女王だが、対等に戦える自信もつけてきた。続くドイツ、ベルギー戦でも、おそらく体格差では劣るが身体を張ったプレイで勝利を手繰り寄せる。

小さくても世界で勝てることを証明し、東京大会で歴史を塗り替えた女子代表は、花の都パリで再び歴史に新たな1ページを刻む。

モリエミサキ

スポーツライター

サッカーやフィギュアスケートを中心に、スポーツ雑誌や一般誌でフリーランスライター、編集者として活動。現在はスポーツ専門誌で五輪特集等を担当し、大学スポーツ等も取材。

文・モリエミサキ 編集・神谷 晃 AKIRA KAMIYA(GQ)