関東一「第3の投手の台頭」に「主軸の高校通算60号」! 安定した力を見せる【24年夏の東東京大会】

AI要約

関東一は、大後選手が投手陣の柱として活躍し、8-1で成立学園を下す。

大後選手は球速アップの秘訣を山本由伸選手のフォームから学び、自身も140キロの速球を投げるようになる。

関東一は攻撃でも活躍し、高橋選手の3ランホームランで勝利を決定付ける。

関東一「第3の投手の台頭」に「主軸の高校通算60号」! 安定した力を見せる【24年夏の東東京大会】

<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:関東一8-1成立学園(7回コールド)>21日◇5回戦◇大田スタジアム

 関東一の投手と言えば、右の坂井遼(3年)、左の畠中鉄心(3年)の印象が強い。秋季都大会もこの2人がほとんどのイニングを投げて優勝した。

明治神宮大会から右の大後武尊(3年)も登板したが、あくまでも坂井、畠中に次ぐ3番手のイメージが強かった。しかし5回戦の成立学園戦に先発登板した大後の投球は、3番手ではなく、投手陣の柱の1人と感じさせる内容だった。

 夏の大会初先発となる大後は、立ち上がりは「緊張しました」と語り、先頭打者をいきなり四球で歩かせ、この回安打2本を打たれ、1点を献上した。しかし不安だったのは、立ち上がりだけだった。2回以降は、ストライク先行でどんどん攻めの投球をする。投球のリズムがいいから、野手も好守備をして大後を助ける。

 

球速も秋は135キロ程度だったが、この夏は140キロの速球を投げるようになった。「フォームを変えて、球威が上がりました」と大後は言う。参考にしたのは、ドジャースの山本由伸だ。体のブレがなく体重移動させることで、球に威力が加わり、制球が安定した。この試合で四球は先頭打者に与えた1個だけ。7回を被安打3の失点1に抑えた。

 関東一は打つ方では、内野ゴロを安打にするなど、俊足を生かした関東一らしい攻撃が目立ったが、挟殺プレーで続けて刺されるなど、粗さも目立った。それでも8-1の7回コールドになったが、決め手になったのが6回裏に4番・高橋徹平三塁手(3年)が左中間に放った3ランだ。高橋にとって高校通算60号となる記念の一発だ。「60本目は納得できるホームランではなかったですか」と関東一の米澤貴光監督は評価する。近年、高く打ち上げる本塁打が多くなっていたが、高橋が目指すのは。「低い打球を打つことを意識しています」と高橋は言う。そのイメージ通りの一発だった。

 関東一は準々決勝で修徳と対戦する。「春は修徳に負けているので、リベンジを目標にしていました」と米澤監督は言う。春季都大会は修徳が勝っているが、夏の大会では修徳が関東一に5連敗している。どちらも、負けられない一戦になる。