【ノア】斎藤彰俊「格好つけではなく、自分しかできないことがある」三沢さんへの思い/引退会見

AI要約

斎藤彰俊が引退会見を行った。ベストバウトは日本武道館の潮崎豪との戦い。三沢光晴への約束を守りたいと語る。

2009年6月13日に広島での誓いについて言及。自身の責任と命についての考えや、ベルト獲得までの33年について述べる。

引退後は小説の執筆を最後まで行い、ノアを応援し続ける意向を示している。

【ノア】斎藤彰俊「格好つけではなく、自分しかできないことがある」三沢さんへの思い/引退会見

 13日の日本武道館大会で引退を表明したプロレスリング・ノアの斎藤彰俊(58)が22日、チームノアのメンバー潮崎豪、モハメドヨネ、小峠篤司、Hi69とともに、都内で引退会見に臨んだ。一問一答は以下の通り。

    ◇   ◇   ◇

 -あと3試合ありますけれど、現時点でご自身のベストバウトは

 「いろいろあったと思うんですよ。一番最初に別な団体に殴り込んだ時とか。それから忘れてはいけない2009年6月13日とか。その他に初めてベルトを取ったタッグの時とか。いろんなことはあるとは思うんですけども。でもやっぱり今、現在っていうか、自分の中ですべての気持ちを整理させてくれて、すっきりしたというか、あれだけぶつかれたという、この前の日本武道館の潮崎豪選手との戦いが自分にとっては最高なんじゃないかなと思ってます」

 -今回の辞めるという決断については、三沢(光晴)さんにはどのように報告したいと思いますか

 「あの時に誓ったことと約束したことは、ある程度自分なりにですけども、できたのかなとは思ってはいるんですけど。でも見てくださってる皆さんたちもそうかもしれないですけど、宿題を学校から出されて『やってきました』って言っても、当たり前のことは褒められないじゃないですか。だからこの前の日本武道館で発表した後、ここから11月17日まで、それまでにどういう姿勢で、さらにどう戦って、どう努力してって、というところで初めて、約束も守って頑張って来ましたって言えると思うんですよね。だから、ここからの姿勢を、戦いを見てもらいたいなというのが一番です」

 -2009年6月13日に広島の地で心に誓ったこと、約束したことで、話せる範囲で具体的なことを教えていただければ

 「まず約束したことっていうのは、あの時点で潮崎選手はまだ若かったんですけど、あの時に三沢社長が(潮崎と)一緒に『タッグを組んで行くぞ!』って。ということは、彼(潮崎)に対してどれだけの思いがあったのか。自分には敵ながら分かったんですよね。で、その時にああいう(自分が最後に戦った三沢さんが亡くなる)形になってしまったので。その時にやはり三沢さんの思い(をくんで)。もちろん実力は潮崎選手の方が全然あるので、自分なんかがっていうことはあるかもしれないですけど、だけど彼にあって自分にないもの、自分にあって彼にないものもあると思うので。その部分でやはり伝えたいなっていうこと」

 -誓ったことは

 「その時に責任を取って辞めればよかったのか、もしくは絶対にいけないことですけど、命を絶てばよかったのか。まあ、もう日が明けてたので、病院からホテルまで歩いている途中で。もうその日に決めなきゃいけないわけですよ。皆さんにご迷惑かかるじゃないですか、試合も組まれてますし。でも、その時に本当に思ったのは、これ本心なんですけれども、じゃあ自分自身が目の前からいなくなったら、皆さんどこに怒りや悲しみや、いろんなものをぶつけるんだろうと。確かに辞めてしまえば責任取れるかもしれないですけど。でも、目の前からいなくなったら、じゃあその思いってどこにぶつけるんだろうと思った時に、いや、自分は逃げちゃいけないなと。しかも皆さんの一番見えるところ、リングの上に立って皆さんから気持ちをぶつけてもらえればと」

 「(それとともに)思ったことを実現できるまで、ということでここまで来ました。シングルのベルト(世界ヘビー級王座)を取るまで33年っていうのがあったので。いつも挑戦して届かなかったんですけども。やっと約束が守れるかなっていう。今、思い返してみれば、キャリア33年で、しかも3月の31日(に獲得)で第33代っていう、この『三』という数字が導いてくれたのかなとも思っています。で、この場を借りてなんですけども、また最近ちょっと『斎藤は悪くないよ』って言ってくれてるファンに対して、いろいろ言われてる方もいますけれども、ファンの人は関係ないです。皆さん苦しかったんですよ。ファンの人もそうですし、選手もそうでしたし、それからご家族の方なんてもっと苦しかったと思います。で、自分が背負っているというのは別に格好つけて言ってるわけじゃなくて、自分自身しかできないことがあるので、それをやるために背負っているというだけで。何かあれば全部自分にください。自分が受けますんで」

 -リングを降りた後の展望についてこう考えていることややってみたいことなどあれば

 「まずこれだけは確実にっていうのは、今ノアのファンクラブに入ってくださってる方たちには鏡という、小説を書いているんですけども、それは絶対に最後まで書き上げます。で、今後どうするかというところは、11月17日、そのリングを降りるまでは選手なので、そこに集中したいかなと。でもプロレスリング・ノア、チームノアは大好きなので、もしかしたらファンとしてかもしれないですし、何かわからないですけど、とにかく今度は、リングからの卒業じゃなくて、人生を卒業するまでずっとノアを応援していきたいと思ってます」