4回零封、冷静にスクイズ防ぐも4強ならず 東海大諏訪の左腕小野

AI要約

長野俊英と長野日大が準々決勝で勝利し、準決勝進出を果たした。

東海大諏訪の投手、小野龍之介が冷静な投球でチームを支え、チームの戦い方を紹介。

小野龍之介はピンチをしのぎつつ4イニングを完璧に抑え試合を締めたが、チームの反撃が及ばず敗退した。

4回零封、冷静にスクイズ防ぐも4強ならず 東海大諏訪の左腕小野

 第106回全国高校野球選手権長野大会は21日、準々決勝2日目を迎え、4強が出そろった。長野俊英は、2年ぶりの甲子園出場を狙った佐久長聖の反撃を抑えて初の、長野日大は投手戦を制し第103回大会以来3年ぶりの準決勝進出となった。24日に予定される準決勝はいずれも「公立対私立」で、甲子園出場経験があるのは赤穂と長野日大の2校となった。

(21日、全国高校野球選手権長野大会準々決勝、長野日大2―1東海大諏訪) 

 東海大諏訪の2番手左腕、小野龍之介(3年)は1点リードされた六回表無死一塁からマウンドに上がった。先頭に死球を与えるも、冷静だった。「自分の役割は分かっていました」

 犠打で送られて二、三塁になる。次打者のスクイズが頭をよぎると、自らの判断で初球を外した。三塁走者を挟んで仕留めたことで相手の勝負手を防ぐ。その打者も三振に切って取り、グラブをたたいた。

 エースナンバーを背負う。ただ、準々決勝が今大会初登板だった。「試合を締める救援タイプ」と横井宏典監督は言う。有利に進めた接戦を小野で締める――。そんなプランが東海大諏訪の戦い方だった。

 武器はテンポの良さとサイドから投げる直球の威力。タメを作らない、速いフォームから、少し変化するクセ球を駆使する。準々決勝でも、脱力してムチのように腕をしならせ、内外角に投げ分けた。

 東海大諏訪に進んだのは、「県外出身の選手が多くて成長できると思った」から。入学時に抱えていた肩のけがも1年秋には完治させ、2年生のころには今の速いフォームに行き着いた。

 この日は、ピンチをしのいだ六回の勢いそのままに、4イニングを投げ、許した安打は0。試合終了までスコアボードに0を並べた。完璧に抑えたが、反撃が及ばず、最後の夏が終わった。

 「出せる力は出せたと思います」。後悔は無い。上のステージでも野球は続けていくつもりだ。(高億翔)