トヨタのロバンペラが初開催WRCラトビアを完全制圧。フォードの“新星”セスクは突如失速で表彰台逃す/最終日

AI要約

7月21日(日)、2024年WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・ラトビア』の競技最終日となるデイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合6位で大会を終えている。

そして、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。

初開催として注目を集めていたラリー・ラトビアも、ついに最終日を迎えた。この日はSS17からSS20までの全4本が行われ、全ステージの総走行距離は64.08km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は255.97kmだ。

トヨタのロバンペラが初開催WRCラトビアを完全制圧。フォードの“新星”セスクは突如失速で表彰台逃す/最終日

 7月21日(日)、2024年WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・ラトビア』の競技最終日となるデイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合6位で大会を終えている。

 そして、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が首位となり、7ポイントを獲得した。

 初開催として注目を集めていたラリー・ラトビアも、ついに最終日を迎えた。この日はSS17からSS20までの全4本が行われ、全ステージの総走行距離は64.08km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は255.97kmだ。

■元王者ふたりが日曜最速争い

 この日最初のSS17は、スタートから長い直線区間を走り抜け、プラント設備のある採石場をゴールに据えた18.7kmのステージ。

 今季より導入されている、日曜日のみの総合順位でポイント争う“スーパーサンデー”制覇を目指して好スタートを切ったのは、セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)。

 今大会3度目のステージウインを飾ったオジエに続いたのは、1.4秒差でロバンペラ、さらに0.7秒差でオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)となり、日曜最速をかけた争いは早くも接戦の予感させる。

 続くSS18も、フラットな直線が映える13.34km。ここでは、タナクがストレートを繋ぐ直角コーナーを幅いっぱいに攻め切る走りでトップタイム。2番手にはオジエが続くも、ふたりのスーパーサンデー争いは0.9秒差に接近した。

■王者ロバンペラ、一度も総合首位を譲らぬ完勝

 残るステージもあと二本となり、迎えたSS19は採石場を走るSS17の再走ステージだ。こちらではタナクが連続のステージウインをあげ、2番手にロバンペラ、オジエは0.9秒ビハインドの3番手となり、日曜最速の争いはここにきて同タイムで並ぶ展開となった。

 さらに総合順位争いでも、4番手のタナクは3番手のマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)と4.6秒差まで接近し、最終ステージでの逆転の可能性も見えてきた。

 そして迎えた最終SS20。ここは上位5台にドライバー/コドライバーおよびマニュファクチャラー選手権のボーナスポイントが付与される『ウルフ・パワーステージ』だ。

 SS18と同区間が舞台となるこのステージは、ロングストレートやジャンピングスポット、最後には中低速のセクションと見ごたえのある一本だ。

 SS1からここまで、一度も総合首位の座を譲ることのなかったロバンペラは、6番手タイムでパワーステージを走破し、前戦ポーランドから続く連勝、2024年シーズンでは3度目となる総合優勝を飾った。

 そして、このステージで速かった方がスーパーサンデーを制するタナクとオジエの一騎打ちは、トップタイムをマークしたタナクに軍配が上がった。

 さらに、Mスポーツ・フォードWRTから出走した地元ラトビア出身の“新星”セスクは、最終パワーステージでまさかのマシントラブル。最終的に1分45秒5遅れのタイムとなり、総合順位ではタナクに逆転を許してしまう結末で、初の母国WRCラウンドは7位となった。

 また、土曜日までは総合4番手につける好調を見せた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、4番目という走順も響いたか、砂の多い日曜日の戦いで苦戦し総合6位でフィニッシュ。スーパーサンデーは7位となって第8戦を終えた。

 獲得ポイントとしては、土曜日を総合2番手で終え、スーパーサンデーで2位、パワーステージで2番手タイムをマークしたオジエが合計25ポイントで最多得点。合計117ポイントとなり、今季5ラウンド目の出走を終えてランキング4位となった。

 そしてランキングトップのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は土曜日を8番手で終え、スーパーサンデーで5位、パワーステージで3番手タイムをマークして合計9ポイントを手にし、獲得ポイントを145に伸ばした。追う2位のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、土曜日を6番手で終え、スーパーサンデーで4位、パワーステージで5番手タイムをマークして合計11ポイントを獲得。合計ポイントを132とし、ランキング3位にダウン。代わりに合計ポイントを137としたタナクが2位に浮上した。

 そしてマニュファクチャラー選手権では、ヒョンデ・シェル・モービスWRTが351ポイント、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームが350ポイント、Mスポーツ・フォードWRTは177ポイントとなり、ヒョンデとトヨタの差は1ポイントに縮まった。

 WRC2クラスは、シェイクダウンからトップタイムを刻み、今大会で計11度のステージウインを飾ったオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が優勝。37.4秒差の2位には、今大会でWRC初のステージ最速を刻んだミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が躍進の表彰台獲得。3位には次戦フィンランドでTGR-WRTから最高峰クラスに出走する予定のサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がつけた。

 2024年WRCの次戦『ラリー・フィンランド』は、ポーランド、ラトビアと続いた高速グラベル(未舗装路)3連戦を締める一戦だ。1973年のWRC初年度から歴史を重ねてきた、北欧最大のラリーのひとつとあって大きな注目を集めるイベントであり、TGR-WRTにとってはホームラリーとなる。2024年シーズン第9戦目となる『ラリー・フィンランド』は、8月1日(木)から4日(日)にかけて開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2024年07月21日]