「自分ができる最大限の投球」自負、笑顔続けた盛岡三・藤枝歳三投手

AI要約

藤枝歳三投手が笑顔でピッチングを楽しむ様子や成長が描かれる。

過去の挫折をバネに笑顔を意識して成長し、チームにも笑顔を広める。

負けた試合でも笑顔を保ち、チーム全体が楽しくプレーすることを大切にする3回戦での出来事。

「自分ができる最大限の投球」自負、笑顔続けた盛岡三・藤枝歳三投手

 (20日、第106回全国高校野球選手権岩手大会3回戦、盛岡三0―9一関学院 7回コールド)

 1球1球、楽しくて仕方がない。どんなピンチでも盛岡三・藤枝歳三投手(3年)は笑顔だった。

 6点差の四回、2死一、三塁。フルカウントとなり藤枝投手は帽子をかぶり直し、夏屋佑翔(ゆうと)捕手(3年)に笑顔を見せた。ここまで1球ごとに、「自分ができる最大限のピッチングをしてきた」自負があった。サイン通りの直球で空振り三振。また笑顔を見せた。

 昨夏もエースナンバーを背負い、決勝進出。だが、決勝の花巻東戦では緊張して制球が乱れ、6失点。笑顔がないまま二回途中で降板した。「自分の投球ができなかった」。悔しさを胸に、練習でも1球ごとに集中して投げ続けた。焦ると制球にも乱れが出る。笑顔も意識するようにした。

 この夏、野手陣にも意識的に笑顔を向けた。「楽しんで勝負する姿を後ろにいる仲間に見せる」。一回途中から登板後、どれだけ点を取られても顔は曇らなかった。

 試合後、涙を流す仲間の背中を笑顔でたたいた。「みんなで笑顔でプレーできた。3回戦で負けたけど、自分にとっては長い長い夏だった」(松尾葉奈)