九回、足つって降板「最後まで投げたかった」 大分工・南投手

AI要約

九回表、大分工の投手が足をつって倒れる場面があり、その背景には準備を怠らない姿勢があった。

投手は自己最速の投球を記録し、粘り強く逆転を信じて最後まで投げ切ろうとしたが、怪我により途中退場することになった。

試合後、投手は自身の投球に満足感を覚え、晴れやかな表情を見せた。

九回、足つって降板「最後まで投げたかった」 大分工・南投手

(19日、第106回全国高校野球選手権大分大会3回戦 高田5―2大分工)

 九回表、大分工の2番手南啓斗投手は先頭打者を見逃しの3球三振にとると、次打者も1ボール2ストライクと追い込んだ。しかし、この回の7球目を投げると、足がつって倒れ込んだ。

 試合前、田中之裕監督から「いつでも行けるよう準備を」と告げられていた。二回表、先発したエースの制球が定まらず5点を先制された。エースの「ごめん」という言葉を受け、三回表からマウンドに上がった。

 自身も制球が定まらず6四球を出した。だが八回には、目標としていた自己最速の135キロも記録するなど、粘り強く投げ失点を許さなかった。スタンドの応援にも笑顔でうなずいていた。代わったエースも「いつも明るく、なんか『任せろ』みたいな感じで頼もしい」と話す。

 最終回は右足に違和感を感じていた。1球投げるごとに顔をしかめて歯を食いしばる。最後の攻撃での逆転を信じて闘志をむき出しに――。2人目の打者を三振に打ち取るとついに動けなくなり、担架で運ばれた。「最後まで投げ切りたかった」

 試合後、南投手は「今までで一番良かったし、自分の中では満足」。その顔は晴れやかだった。(大村久)