体は限界、でも貢献したい 学生コーチに転じた藤嶺藤沢・武井さん

AI要約

武井海翔(3年)が左ひじの靭帯損傷で選手をサポートする学生コーチになった経緯

選手生活を終えてもチームを支えるやりがいを感じ、大学進学後は体育の先生を目指す決意

藤嶺藤沢は甲子園出場を目指していたが、東海大相模に8回コールドで敗退。武井は経験を活かしたいと語る

体は限界、でも貢献したい 学生コーチに転じた藤嶺藤沢・武井さん

(18日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦 藤嶺藤沢1―8東海大相模)

 ノックやスコア記入など、選手をサポートする「学生コーチ」。藤嶺藤沢では主に卒業生が担うが、在校生で唯一、学生コーチを務めるのが武井海翔(3年)だ。

 左ひじの靱帯(じんたい)を損傷し、今年の春、自ら志願した。「体はもう限界でした。それでもチームのために貢献したくて」

 選手生活を終えると親に報告するときには、涙がこらえられなかった。「ずっと支えてくれた親に申し訳なかった」。直前の春季県大会で、念願のベンチ入りを果たしたばかりだった。

 しかし、「裏方としてチームを支えるのはやりがいがある」と生き生きとした表情で語った。甲子園出場を目指していた藤嶺藤沢はこの日、東海大相模の前に8回コールドで敗退。その瞬間まで、メガホンを片手に声援を送り続けた。

 大学では野球はしないつもりだ。中学校の体育の先生を目指して勉強するという。「けがをした僕みたいになってほしくない。この経験をいかしたい」(中嶋周平)