ホンダ、鈴鹿8耐予選は3番手に甘んじるも焦りナシ。トップ10予選は「舐められないタイム」が出ればOK?

AI要約

鈴鹿8時間耐久ロードレース2024年の初日、YART YAMAHAが最速タイムを記録。

Team HRCは敗れたものの焦る様子を見せず、ライダーはレースに重点を置いている。

予選結果やチームメイトとの能力を考慮して、名越哲平は決勝に向けた意気込みを語る。

ホンダ、鈴鹿8耐予選は3番手に甘んじるも焦りナシ。トップ10予選は「舐められないタイム」が出ればOK?

 鈴鹿サーキットで7月19日に開幕した2024年の鈴鹿8時間耐久ロードレース。初日はフリー走行と計時予選が行なわれ、予選では1号車YART YAMAHAが最速タイム(2分5秒222)を記録した。

 ファクトリー体制で参戦し8耐3連覇を目指しているホンダ(30号車Team HRC with Japan Post)は予選では2分6秒032で敗れることになったが、ライダーに焦る様子は見られなかった。

 8耐の予選は、3人のライダーがそれぞれ2回セッションに参加し、そのうち2人のベストタイムによる平均をもとに順位が決まる。そして、上位10チームは2日目にポールポジションを争うトップ10トライアルへ参加することになる。

 今回、30号車Team HRCは8耐に向けて経験豊富な高橋巧、若手の名越哲平、そして現役のMotoGPライダーであるヨハン・ザルコを招聘しチームを組んだ。

 3連覇の懸かった今年の大会もホンダは当然強いだろうと見られてきたが、初日の計時予選ではEWC(世界耐久選手権)のレギュラー参戦チームであるYART YAMAHA、そしてドゥカティのファクトリーマシンを使用する2号車DUCATI Team KAGAYAMA(2分5秒776)の後塵を拝する結果となった。

 ただ、HRCのライダー達に焦っている様子は無い。特に8耐で史上最多タイの勝利数を誇る高橋巧は、ベテランらしく予選やトップ10トライアルよりも、レースが大事だという姿勢を明確にしている。

 予選の振り返りで高橋は「想像以上にペースを上げられなかった」と認めているものの、「20分の予選の中で、決勝で参考になるように、どういう風にしたらペースを落とさないで走れるかなとか考えながらやっていました」と語った。

「レースに向けた確認やダメ出しができた」と語る高橋は、2日目に予定されているトップ10トライアルを走るライダーは、まだ決まっていないものの、タイムを見れば名越とザルコの2人になるだろうと示唆。ただ、HRCが“軽んじられる”ようなタイムを出すわけにはいかないだろうとも語った。

「(名越とザルコの)2人で行くならとりあえずもうちょっと(ライバルに)迫ったタイム、もうちょっとトップに迫ったタイムは狙ってほしいなとは思います」

「相手に余裕を持たせたくないし、気持ち的に『(30号車は)これしか出ないんだ。HRCもこんなもんか』みたいに思われたくない」

「昨年と一昨年はテツ(長島哲太)がそれをしっかりと見せてくれていました。今年はザルコもやろうと思えばやってくれるだろうし、哲平は……本人に訊いてください(笑)」

「(トップ10トライアルを)走りたいと言うのなら、『(2分)4秒くらい出します』っていう気持ちを出してほしいですね。プレッシャーって大事だと思うんです(笑)」

 先輩ライダーからそう話を振られた名越は「もうちょっと(タイムが)出るかなと思っていた」と話している。

「予選はタイヤがいいところで赤旗が出ていて、いい部分を使えていなかったので、10分くらい待って、落ち着いたところで集中してアタックしようとなりました」

「もうちょっと出るかなと思ってタイムは伸びなかったんですが、トップ10に残ることが目標でした。決勝も長いので、予選の内容としてはいいんじゃないかと思います」

「2回目の予選では、(高橋が)使ったタイヤで最後に確認だけという感じでしたが、フィーリングは悪くなかったので、レースに向けてポジティブかなと思っています」

「(2分)4秒までは実際見えていなかったですが、5秒真ん中まではいくかな?と思っていました。目標は5秒台を切るくらいのところだったので残念な結果ではあります。ただ耐久では予選はそんなに大事ではないので、そこにフォーカスしすぎず、決勝を見据えて走れたので、良かったかなと」

「もうちょっと詰めれば5秒真ん中は行けたと思うんですが、2周しかないというのと、HRCのプレッシャーにちょっと勝てずに、ミスが1周通して目立ったなと思います」

 そして名越は、高橋の8耐決勝レースを重視した組み上げ方、ザルコの予選2回目でのユーズドタイヤでも全力のアプローチなど、チームメイトは偉大なライダーだと感じているとも語る。

 だからこそ、名越は「そこに自分が入るのは恐れ多いところはあるんですが、しっかりと決勝の走りで負けていないというところを見せたいと思っています」と意気込んで締めくくった。