2度目の甲子園“初出場”狙う法政二が4回戦進出 「次のステージへ」現状打破への思い/神奈川

AI要約

法政二は11-2で勝利し、4回戦進出。甲子園出場がない88年以来、再び輝きを取り戻す可能性がある。

選手、OB、監督、部員全員が革新と挑戦を掲げ、初出場目指して頑張る法政二高校野球部。

日大藤沢との試合に勝利すれば、72年ぶりの2度目の甲子園出場を果たすことができる。

2度目の甲子園“初出場”狙う法政二が4回戦進出 「次のステージへ」現状打破への思い/神奈川

<高校野球神奈川大会:法政二11-2新羽>◇14日◇3回戦◇横須賀スタジアム

 強いオレンジの復活なるか-。法政二(神奈川)が11-2で快勝し、4回戦へ進出した。1960~61年に甲子園で夏春連覇した名門も、88年を最後に甲子園出場がない。神奈川では慶応が昨夏107年ぶりに甲子園で夏Vを果たし、武相は42年ぶりに春季県大会で優勝。神奈川の“古豪仲間”が再び輝きを放つ中、置いてけぼりにはされない。

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 20世紀最後の夏、日刊スポーツの記事内で法政二は「古豪」と記された。あれから24年、甲子園に1度も出られぬまま平成に幕。令和のスタンドで試合を見つめる70歳OBは「古豪どころか忘れられちゃってるんじゃないの」と少し寂しそうだ。

 4番の星野昂大外野手(3年)の先制適時三塁打を皮切りにした快勝後、絹田史郎監督(60)は「順調に来ました。ベスト16、8の壁をいかに越えられるか。次のステージへ駆け上がりたいです」と現状打破への思いを口にした。

 88年夏を最後に甲子園出場はない。横浜、東海大相模など全国級のチームが居並ぶ神奈川。法政二は16年から男女共学になり、入試の難易度も一気に上昇。いわゆる野球の“スーパー中学生”がこぞって入部する環境ではなくなっている。

 「男子の分母も減った中で勉強も野球もしっかり頑張りたいという子が集まってくれて」。部員70人が法大野球部グラウンド隣にある変形野球場で、守備を中心に汗を流す。その光景は黄金時代からずっと。

 小川達也主将(3年)は「あまり強くない法政二高を変えるために、今までとは違うことも始めてます」。練習メニューも私生活も、テーマは「革新」だ。絹田監督と同期の押久保秀男OB会長(60)は「他校や昔と比較されがち。そんなのいい。1度真っ白に戻して、初出場を目指す気持ちで」と言う。初めて聖地に立った52年以来、72年ぶり2度目の甲子園“初出場”へ、まずは次の壁、日大藤沢を越える。【金子真仁】