チーム崩壊状態からわずか1年で大阪桐蔭、履正社の2強撃破! 大阪学院大高の指揮官の驚異のマネジメント力

AI要約

大阪学院大高校は、大阪府吹田市に位置し、甲子園初出場や北大阪大会準優勝を果たすなど、存在感を示してきた。

春の府大会では、強豪校を撃破して初優勝を達成し、注目を集めている。

チームは設備の充実や指導スタッフの導入など、近年の強化を図っており、新監督のもとで再び躍進を遂げている。

チーム崩壊状態からわずか1年で大阪桐蔭、履正社の2強撃破! 大阪学院大高の指揮官の驚異のマネジメント力

 大阪学院大高校――。

 阪神などで活躍した大投手・江夏豊の母校であり、1996年春には甲子園初出場、2018年夏の北大阪大会準優勝をはたしている。

 激戦区・大阪で随所に存在感を発揮してきた同校が、今春の府大会で旋風を巻き起こした。

“大阪2強”と呼ばれる大阪桐蔭と履正社を撃破し、府大会初優勝を成し遂げたのである。

 主将の今坂幸暉(3年)や強肩捕手の志水那優(3年)などを擁して春の府大会初優勝。これまで「大阪2強」と呼ばれてきた履正社と大阪桐蔭の両方を下して、大きな話題を呼んだ。なぜ、これだけの結果を残すことができたのか。今回は大阪学院大高の強さの秘密に迫った。

 学校が所在するのは大阪府吹田市。外野が人工芝の専用グラウンド、打撃練習やブルペン投球が可能な半野外練習場、室内練習場にトレーニングセンター。全国でもトップクラスの設備を有している。

 チームは近年、強化を図ってきた。大阪桐蔭の初代部長を務めた森岡正晃氏を総監督に招聘し、山口県出身の今坂 幸暉内野手(3年)や熊本県出身の志水 那優捕手(3年)など遠方からも有力選手を集めた。

甲子園は近い、そう思われた。

しかし、現3年生が1年生のころに、森岡総監督が退任。選手たちのモチベーションは大きく落ちてしまった。

 チームが危機的状況の中で昨年3月に就任したのが辻盛英一監督だった。2010年から母校である大阪市立大(現・大阪公立大)の監督を務め、17年秋には24年ぶりのリーグ優勝に導いた実績を持つ。

 その一方、大手保険会社勤務時代に13年連続売上ナンバーワンに輝いた伝説の営業マンとしての顔を持つ。『営業は自分の「特別」を売りなさい』(あさ出版)など著書も出版。現在は「株式会社ライフメトリクス」の代表取締役社長を務めている。

 大阪市立大が大阪府立大と統合して大阪公立大となった2022年に大学の監督を退任。しばらくは社業に専念する予定だったが、縁もゆかりもなかった大阪学院大高からのオファーを引き受けることになった。