“無名の存在”からオリンピックへ。成長を続ける爽快ドリブラー平河悠は大舞台で英雄となれるか【パリ五輪の選ばれし18人】

AI要約

平河悠は急成長を遂げる若手サッカー選手で、無名の高校生からオリンピック出場を目指すまでのストーリーが描かれている。

大学在学中に特別指定選手としてJ2リーグに参加し、プロ1年目には町田ゼルビアで35試合に出場して6ゴールを挙げ、J1昇格に貢献する。

平河の謙虚さと集中力、そして新たな挑戦としてイングランド2部のブリストル・シティに期限付き移籍する姿勢が強調されている。

“無名の存在”からオリンピックへ。成長を続ける爽快ドリブラー平河悠は大舞台で英雄となれるか【パリ五輪の選ばれし18人】

 パリ五輪開幕まで約2週間となった。ここでは56年ぶりのメダル獲得を目ざすU-23日本代表の選ばれし18人を紹介。今回はMF平河悠(FC町田ゼルビア)だ。

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 一瞬の加速でDFを抜き去り、巧みなボールタッチからフィニッシュに繋げる。見る者をワクワクさせる爽快なドリブラーだ。

 平河は佐賀東高時代、無名の存在だった。卒業後はサッカーの道を離れ、就職の可能性もあったが、3年時に出場したインターハイでの活躍が評価され、山梨学院大に進学する。

 そして、大学2年時の2020年に、東京都大学1部リーグで得点王に輝く(2020年から2022年で3年連続得点王)など存在感を示すと、翌年、町田に練習参加。すぐさまオファーが届き、2023年シーズンからの町田加入内定が決まった。

 2022年は大学在学中ながら特別指定選手としてJ2で16試合に出場。同年3月の岡山戦ではJリーグ初ゴールを挙げた。

 プロ1年目の2023年は35試合に出場して6ゴールを記録。町田のJ2優勝と初のJ1昇格に大きく貢献し、その名を轟かせると、パリ五輪世代のU-22日本代表に初めて選出される。

 そして翌年、パリ五輪の最終予選を兼ねたU-23アジアカップに挑むU-23日本代表に選ばれ、同大会では全6試合でピッチに立ち、本大会への出場権獲得に寄与した。

 平河の魅力のひとつは、これだけの成功体験をしながらも常に謙虚で、危機感を持ちながら目の前の試合に集中できることだ。

 今シーズン、J1で首位を走る町田で、主力としてプレーする責任をこう語っていた。

「前線の選手で、数字がつくのとつかないのじゃ、評価も変わってくる世界。首位のチームのウインガーが、数字がつかないと出てる資格はないと思う。自分の長所を今出せてる分、その中でも数字はチーム内でも負けたくないですし、貪欲に狙いたいと思います」

 急成長を続ける平河は今年、イングランド2部のブリストル・シティに期限付き移籍。キャリアで初めて海を渡り、新たな挑戦に出る。無名だった高校時代から、オリンピアンに。結果を求め続ける平河は大舞台で英雄となれるか。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)