【函館記念】チャックネイトが「前走クラス」や「6歳」など4つのプラスデータを持つ 相手は巴賞組の取捨が鍵

AI要約

2024年7月14日に函館競馬場で行われる第60回函館記念。函館開催のメインといえる伝統の中距離重賞である。

函館記念といえば、過去の名勝負を振り返りながら今回の展望を探る。美浦所属馬や前走成績から馬券の組み立て方を考えている。

予想には、巴賞組や前走のデータを踏まえた検証がされ、注目馬の選出につながっている。

【函館記念】チャックネイトが「前走クラス」や「6歳」など4つのプラスデータを持つ 相手は巴賞組の取捨が鍵

2024年7月14日に函館競馬場で行われる第60回函館記念。函館開催のメインといえる伝統の中距離重賞である。

函館記念といえば、1988年に1分57秒8という衝撃の日本レコード(当時)を叩き出したサッカーボーイ、2005年から3連覇を成し遂げた函館の申し子エリモハリアーなど、記録にも記憶にも残る馬が勝ち馬に名を連ねている。

はたして、第60回の節目となる今年はどんなドラマが誕生するのか。今回も過去10年の成績を参考にして検証していきたい。

☆所属

美浦所属馬が6勝(9連対)、栗東所属馬が4勝(11連対)。連対率はほぼ互角だが、勝率で見ると勝利数の多い美浦所属馬が栗東所属馬より高い数字を残している。

☆性別

ここ10年で牝馬が連対したのは、2023年の2着馬ルビーカサブランカだけ。といっても牝馬の参戦は8頭だけなので、牝馬不利とまではいえない。

☆年齢

連対馬が出ているのは4歳から7歳まで。勝率では7歳馬、連対率では5歳馬がそのほかの世代と比べて少し見劣る。4歳馬と6歳馬が中心と考えたい。

☆前走クラス

3勝クラス、OP、重賞組から勝ち馬が出ている。OP組の大半は巴賞だが、出走頭数が多いことを差し引いても勝率1%台は物足りない。ちなみに、巴賞以外のOP組から連対馬は出ていない。

☆主な前走

8頭の勝ち馬を出している重賞組が本線。GⅠは天皇賞(春)、GⅡは目黒記念(今年は該当馬なし)、GⅢはエプソムC組の好走率が高くなっている。

☆前走着順(栗東)

ハンデ戦らしいデータというべきか、前走で好走した馬の成績が直結していない。栗東所属馬に限ると、前走1着馬と3着馬、4着馬の函館記念での連対率は0%だ(今年は該当馬なし)。

☆前走人気

前走3番人気、もしくは4番人気だった馬の連対率も0%。こちらは所属に関わらず、全馬に当てはまるデータとなっている。

函館記念のデータをまとめてみよう。

【好走データ】

A「美浦所属馬」

B「4歳or6歳」

C「前走・天皇賞(春)or目黒記念orエプソムC」

【勝率ダウン】

D「前走・巴賞」

【連対なし】

E「3歳or8歳以上」

F「前走・巴賞以外のOP競走」

G「前走3番人気or4番人気」

今回は登録馬20頭中8頭が巴賞組。過去10年で47頭で52回出走して勝ったのは1頭だけ。勝率1%台は正直物足りない。ただし、連対率は9.6%。これをどう考えるか。2019年が巴賞組のワンツー。近10年で4回、巴賞組が連対していることになる。4割の確率で連対すると考えると悪くないので、マイナスデータだからとすべて除外するのではなく、1頭ぐらい入れていいかもしれない。まずは、巴賞を含むマイナスデータを持たない馬から検証していく。

3つのプラスデータすべてを持っているのは、チャックネイトだけ。天皇賞(春)組は7頭中3頭が馬券に絡んでいるが、3頭の前走着順は15、13、15着。チャックネイトは天皇賞(春)14着、大敗から巻き返すパターンに当てはまっており、これを本命とする。また、同じ天皇賞(春)組のサヴォーナも6着で着外からの反撃パターンに当てはまる。これを対抗に抜てきしたい。巴賞組以外でプラスデータ2つ、マイナスデータなしという馬はサヴォーナだけ。

ほかにプラスデータ1つという馬は、アウスヴァール(B)、エンパイアウエスト(A)、カネフラ(B)、グランディア(C)、トップナイフ(B)の5頭。このうち微妙なのがトップナイフ。過去10年で最も前走からの間隔を空けて馬券に絡んだのが、2017年1着馬のルミナスウォリアー。こちらは3月の金鯱賞以来だった。トップナイフの前走は昨年10月の菊花賞で半年以上も間隔が空いている。今年初戦の馬が好走した前例がないので、これはノーマークとしたい。

あと、カネフラは前走3勝クラスで6着(13番人気)。3勝クラスから連対したのは2023年ローシャムパークだけ。こちらは3勝クラスを1番人気で勝ってからの臨戦で少しパターンが違う。また、前走がマイル戦だった馬は8頭いて連対馬なしというデータもある。これもノーマークとする。

残った3頭アウスヴァール(B)、エンパイアウエスト(B)、グランディア(C)の順番付けだが、6歳馬(B)よりもエプソムC組(C)の方が好走率は高いので、▲グランディア。アウスヴァールとエンパイアウエストだが、エンパイアウエストが上で書いた「3勝クラスを勝って挑んだ」パターンに当てはまるので、これを4番手とする。

さて、最後に巴賞組をどうするか。過去10年の巴賞組47頭(計52回出走)を調べてみると、下記の好データが見つかった。

H「栗東所属馬が4連対」

I「前走馬体重460~480kgが4連対」

J「サンデーサイレンス系の種牡馬が4連対」

K「前走5着以下が5連対」

L「前走5番人気以下が4連対」

今回登録している8頭のうち、ショウナンバシット(HJKL)が最多4つのプラスデータ該当。アケルナルスター(IJL)とサンストックトン(IJK)が3つのプラスデータに当てはまっている。ショウナンバシットは4つの好データに加え、最初の項目のプラスデータABにも該当しているため、巴賞組からはショウナンバシットを選出したい。

◎チャックネイト

○サヴォーナ

▲グランディア

△エンパイアウエスト

×アウスヴァール

×ショウナンバシット

《ライタープロフィール》

門田 光生(かどた みつお)

競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。

函館記念といえば、1998年パルブライト(父ペイザバトラー)2000年クラフトマンシップ(父フレンチグローリー)、2004年クラフトワーク(父ペンタイア)と、知る人ぞ知る長距離砲を父に持つ馬が勝っていた時代がありました。いや、あの頃はよかった。