【桧山進次郎】途中出場で勝利呼んだ島田海吏あっぱれ!2カ月半ぶり借金生活回避の大きな1勝

AI要約

延長10回、島田の一撃が大きかった。チームは借金生活を76日ぶりに回避。勝率5割を守り続ける中、才木の先発で逆転勝利が意義深い。

ペナントレース残り半分を切った中、島田の存在が注目される。状態不調の森下や近本に代わる存在として期待されている。

夏場に向けて勝率5割を維持する重要性が高まり、島田のようなしぶといプレーがチームにとって必要不可欠である。

<阪神3-0広島>◇2日◇マツダスタジアム

 現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(54)が試合をチェック。途中出場ながら0-0の延長10回に勝ち越しを呼ぶ右前打を放った島田海吏外野手(28)の打撃をたたえ、76日ぶりの借金生活も回避した大きな1勝と位置づけました。【聞き手=松井清員】

 延長10回、しぶとくつないだ島田の一撃は本当に大きかったですね。四球で出た小幡を一塁に置いてカウント1-1。投手はストライクがほしい場面で甘めの真っすぐが来ましたが、それを一発で仕留め切った。ライト野間の悪送球があったとはいえ実質、勝利打点です。調子が良いのに、スタメンからまたベンチに戻ってストレスもあったと思います。でも途中出場でも集中力を切らさず、最高の役割を果たした。あらためて状態の良さを感じます。

 チームは日曜日のヤクルト戦でいやな形で逆転負けを喫し、勝率5割でこの日を迎えました。しかも6連戦の初戦で、勝ち頭の才木が先発した試合です。広島森下との意地の投げ合いは見事でしたが、才木が投げた試合で負けると本当に痛い。しかも、約2カ月半ぶりに借金生活に入るところでした。才木が投げた試合で勝ち、貯金を1に戻して週末からのいやな流れも断ち切った大きな白星です。

 首位広島との3連戦とはいえ、まだゲーム差を考える時期ではありません。ただ自身の経験上、この先夏場に優勝を争っていく上で、勝率5割は絶対に切ってはいけない。チームは4月18日以降、5割ラインを守り続けています。この間、何度も借金危機を乗り越え、この日もしぶとく勝ち切った意義はとても大きい。

 ペナントレースは残り半分を切りました。選手の調子が上がってくるのを待つ時期は終わり、調子のいい選手を使う時期に入ってきます。そういう意味でも、島田はとても面白い存在だと思います。外野を争う森下は状態がよくない。3三振もボールが見えていない感じでした。近本も最後に1本出ましたが、本調子ではありません。前川も結果を出しているので、森下も近本もうかうかできない。島田の存在ががぜん、クローズアップされそうです。(日刊スポーツ評論家)