千葉直人師、厩舎初Vあげたセイウンプラチナで重賞初挑戦 “決戦”前に短冊に願い/七夕賞

AI要約

福島メインはサマー2000シリーズ第1弾七夕賞(G3、芝2000メートル)で、千葉直人師がセイウンプラチナを送り出す。

厩舎初勝利を挙げた思い入れのある馬で、厩舎の重賞初挑戦を迎える。

千葉師は、セイウンプラチナで無事に完走し、厩舎全体を盛り上げることを願っている。

 今週の福島メインはサマー2000シリーズ第1弾七夕賞(G3、芝2000メートル)。今年3月に開業した千葉直人師(37)がセイウンプラチナ(牡5)を送り出す。

 4月に厩舎初勝利を挙げた思い入れのある馬で、今度は厩舎の重賞初挑戦を迎える。縁のある西山茂行オーナーへの感謝、そしていつかかなえたい将来の大目標への第1歩…。5年ぶりに7月7日に行われる“七夕決戦”を前に、短冊に願いを込めた。

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 『無事に完走し、良い結果が出せますように。そしてこの後も大きな舞台で活躍していきますように』。 少し考えたのち、千葉師は真っすぐなまなざしで短冊にペンを走らせた。「まず馬はいつも命を懸けて走っています。無事に完走して命あってというのが第一。その中で結果を伴わせ、厩舎全体を盛り上げていきたいですし、この子をもっと高いところで活躍できる馬にしていきたい」と、文字に込めた思いを語った。

 セイウンプラチナで重賞初挑戦を迎えるのも何かの縁か。師が中学1年生の時、地元の札幌競馬場で見たセイウンスカイ(99年札幌記念、名義は西山牧場)の強さが目に焼き付いたことが、騎手を目指すきっかけだった。そして調教師としての初勝利、重賞初出走も西山茂行オーナーの馬になる。「本当にお世話になっていて、縁があるなと思いますし、こういう縁を大切にしていきたい。開業初年度から重賞に出られる馬を預託いただき光栄です」。結果を出して恩返ししたい。

 厩舎の大目標には米国のブリーダーズC制覇を掲げている。技術調教師時代、ウシュバテソーロの海外遠征に帯同。ドバイWCで栄光を味わうとともにBCクラシック(5着)では悔しい思いもした。「アメリカは馬にストレス、プレッシャーのかかる厳しい環境下でした。そんな中でウシュバは頑張って走ってくれましたが前に届かなかった。現地で見ていて心残りですし、自分の馬で頂点に立ちたい気持ちがなおさら湧いてきました」。まずは国内重賞初挑戦、これが次のステップになる。

 美浦ウッドの1週前追いでセイウンプラチナは力強く動いた。「状態はすごく良さそう。うまく先手を取り切れば粘り強い。重賞でも頑張ってくれると思います」と胸を張る。七夕決戦で短冊に込めた願いをかなえる。【井上力心】

 ◆千葉直人(ちば・なおと)1986年(昭61)7月30日、北海道生まれ。06年成島英春厩舎から騎手デビュー。06年12月2日中京1Rオースミダイケンで初勝利。08年七夕賞でアクティブアクト(11着)に騎乗し重賞初騎乗を果たす。12年に騎手を引退。JRA通算984戦24勝。調教助手に転身後は藤原辰雄厩舎、鈴木伸尋厩舎に所属し、22年12月に調教師試験に合格。今年3月に開業した。6月30日時点でJRA通算60戦4勝。