【七夕賞・先手必勝】逃げ馬不振でも…「感触は良かった」 セイウンプラチナ重賞初挑戦Vへの秘策

AI要約

福島競馬場で行われる夏のみちのく開催の名物ハンデ重賞・GⅢ七夕賞に注目が集まっている。

セイウンプラチナが重賞初挑戦で勝利を目指し、逃げ馬不振の傾向も考慮して期待が高まっている。

厩舎、鞍上、馬の三者が一体となって臨む重賞初挑戦に向けて、勝利を目指す準備を整えている。

【七夕賞・先手必勝】逃げ馬不振でも…「感触は良かった」 セイウンプラチナ重賞初挑戦Vへの秘策

[GⅢ七夕賞=2024年7月7日(日曜)3歳上、福島競馬場・芝2000メートル]

 今週の福島メインは夏のみちのく開催の名物ハンデ重賞・GⅢ七夕賞(7日=芝2000メートル)。過去には1番人気が26連敗を喫し、近10年では3連単100万円以上の大波乱が2回起きているように波乱傾向が強く、当欄にとってより一層力が入る一戦だ。注目はセイウンプラチナ。開業初年度の千葉厩舎が送り出す重賞初挑戦のニューカマーが人・馬・厩舎にとっての重賞初勝利をつかみ取る。

 古くは1993年にツインターボが大逃げで制した七夕賞だが、近10年では逃げ馬が馬券圏内に入ったのは2頭のみ。ただ、こんな逃げ馬不振のデータが紙面に躍れば躍るほどセイウンプラチナを狙う穴党にとってよりおいしいオッズとなるのでは?

 スタート後にスムーズに先手を取り切るためのダッシュ力、3~4角付近から後続の早仕掛けに対抗するために必要なスタミナ…坂の緩い小回りというイメージ以上のトリッキーな条件が逃げ馬の台頭を阻んでいるのだろうが、セイウンプラチナは前走・ドゥラメンテCで12・5ハロンを逃げ切っており、対応可能な下地は十分。近4走はいずれもハナに立っての競馬とまさにこの条件にマッチし、克服できうる馬といえよう。

 指揮官・千葉調教師は「福島で実績があり、鞍上も福島で結果を出しているので、スムーズにハナへ行ければ面白いなと思います。うまく先手を取り切っての自分の競馬なら重賞でも頑張ってくれると思います」と展望を明かした上で「西山牧場さんがいい感じで持ってきてくれて、馬のコンディションはいいですよ。開業初年度から重賞に出走できる馬を預託してもらえて光栄です。初勝利の馬なので何とか結果を出していければ」と腕をぶす。

 今回、カギになるのは2・5ハロンの距離短縮をした上での重賞のペースへの対応だが、もちろん陣営に抜かりはない。チークピーシーズ着用という一手を打ってきた。中野栄治厩舎在籍時にはのちに宝塚記念を制することとなるブローザホーンも手がけた横山助手は「二千では効き過ぎかなというところはありますが(調教で)チークを着けてみて感触は良かったですね。鞍上もこのコースなら勝手が分かっているので相性はいいレースだと思います。母父にエリシオがいる血統的にもこの距離の方が良さそうですよ」と好感触だ。福島では1年3か月という長期ブランク明けだった昨年の白河特別を勝利。さらにはその時の鞍上であった原が騎乗するだけに、当時(11番人気1着)、前回(8番人気1着)に続く人気薄激走への準備は万端だ。

 今回、勝利すれば厩舎、鞍上、馬の3者にとっての初重賞勝利。がっちりと三位一体のスクラムを組んで重賞初挑戦での初勝利に向けて闘志を燃やしている。