映画にもなった名種牡馬 アメリカの“奇跡のサラブレッド”「セクレタリアト」を紹介

AI要約

セクレタリアトは名馬ビッグレッドとして1973年に米三冠を達成し、大種牡馬ボールドルーラーの子で母の父としても優秀。現在は優秀な種牡馬群のブルードメアサイアーとして活躍中。

JRA種牡馬ランキングではキズナ、ロードカナロア、エピファネイアが上位を独占し、競り合いが続いている。上位3頭は重賞でコンスタントに勝っており、3位のエピファネイアは特に好調。

キタサンブラックやスワーヴリチャードなど産駒数が少ない種牡馬も今後の成績に期待が高まり、群雄割拠時代はまだ続いている。

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい!血統表でよく見る名馬

【セクレタリアト】

「ビッグレッド」の愛称で親しまれ、1973年に米三冠を達成。アメリカ競馬史上最も偉大なサラブレッドの一頭に数えられています。2010年には映画化されました(邦題は『セクレタリアト/奇跡のサラブレッド』)。父ボールドルーラーは計8回米チャンピオンサイアーに輝いた大種牡馬で、半兄サーゲイロード(サーアイヴァー、ハビタットの父)も優秀な種牡馬だったので、セクレタリアトも成功間違いなしと見られていましたが、期待ほどの成績は挙げられませんでした。

 ただ、最高クラスの繁殖牝馬を与えられた影響で、母の父としてはきわめて優秀。ストームキャット、エーピーインディ、ゴーンウェスト、チーフズクラウン、デヒアなどそうそうたる種牡馬群のブルードメアサイアーとなりました。タイプとしては、スピード型だったボールドルーラーの影響は希薄で、母の父プリンスキロのスタミナや底力を感じさせるタイプ。芝適性もあります。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「上半期のJRA日程が終了しました。ここまでの種牡馬ランキングの感想は?」

 ベスト10の成績を見ると、1位キズナ、2位ロードカナロア、3位エピファネイアの3頭が僅差で競り合い、大きく離れて4位ドゥラメンテ、5位ハービンジャー、6位ルーラーシップ、7位ドレフォン、8位モーリス、9位ディープインパクト、10位リオンディーズまでがまた僅差、という状況です。

 1~3位の獲得賞金は約24~21億円、4~10位は約11~8億円のレンジに収まり、3位と4位の間に大きな断層が見られます。1~3位は重賞をコンスタントに勝っていることも大きいと思います。3位のエピファネイアは春シーズンに4つのGIを勝ち、今年だけで重賞9勝。これまでになく好調です。

 ただ、産駒数が少ないキタサンブラックやスワーヴリチャードなどは、来年以降、駒が揃えば上位に食い込んでくるはずです。上位3頭が抜け出し、上位種牡馬のなかである程度の強弱が見えてきたとはいえ、群雄割拠時代はまだ続いているという認識です。