アトレティコ、サポーターが望んだ旧エンブレムを正式に復活させる!「心にはマーケティングに分からない正しさがある」「私たちは醜い方の熊を子供に受け継いでいきたい」

AI要約

アトレティコ・マドリーが古いエンブレムを復活させた経緯

ファンの支持を受けてエンブレム変更を決定

復活した旧エンブレムに関するサポーターの熱い思い

アトレティコ、サポーターが望んだ旧エンブレムを正式に復活させる!「心にはマーケティングに分からない正しさがある」「私たちは醜い方の熊を子供に受け継いでいきたい」

アトレティコ・マドリーが7月1日、2017年まで使用していたエンブレムを正式に取り戻している。

アトレティコは2017年の夏、ホームスタジアムをビセンテ・カルデロンからメトロポリターノに移転したタイミングでエンブレムの変更を行なった。よりスタイリッシュとなったエンブレムではあったが、現地サポーターはスタジアム内で「エル・エスクード、ノ・セ・トカ(エンブレムには触れてくれるな!)」と反対の声を上げ続けていた。

そうして2023年夏、アトレティコはエンブレムを旧来のものに戻すかどうかについて、ソシオ(クラブ会員)を対象にして投票を実施。全ソシオ13万8881人の内7万7690人(年間シート保持者/非保持者のどちらも含む)が投票(投票率56%)した結果、6万8894人(投票者の88.61%、全体の49.61%)が希望したことで旧エンブレム復活が決定した。

ただし2023-24シーズンの段階では、2017年から使用するエンブレムでユニフォームやグッズなどがすでに生産されていたために、サポーターは旧エンブレムの復活を2024-25シーズンまで待たなくてはならなかった。そして2024年7月1日、少し前からスタジアム前の大型フラッグや、SNSのプロフィール画像など着々とエンブレムの入れ替えを進めてきたアトレティコは、旧来のエンブレムを自分たちの象徴としている。

ここ最近、マーケティングなどを考慮してエンブレムを変更するフットボールクラブは多いが、多くのアトレティコファンにとっては受け入れ難いものだったようだ。

メトロポリターノで行われる各試合で、多数の現地サポーターは新エンブレムではなく旧エンブレムのマフラーやフラッグを掲げるように努めていた。またディエゴ・シメオネ監督やフェルナンド・トーレス現Bチーム監督、主将MFコケなどクラブとつながりが深い存在は、エンブレムに関する投票が行われると決定したタイミングで、旧エンブレム復活希望を公言。そして旧エンブレム復活が決定した際、、スペイン『エル・ムンド』でアトレティコ関係の記事を執筆するイニャコ・ディアス記者は、「私たちはアトレティコの顧客なんかじゃない。アトレティコとフットボールは私たちのものなんだ」「申し訳ないが、私たちが子供たちに受け継いでいきたいエンブレムは、父親や祖父と愛してきた、この醜い熊のエンブレムの方なんだよ」と、その心情を綴っている。

なお、アトレティコは旧復活エンブレムに際してスポット映像を公開。同クラブの数々の名スポットをつくり上げてきたSra. Rushmore社は今回、「史実に基づいた話」としてメトロポリターノ近くの修道院の修道女が、スタジアムの前の大型フラッグが旧エンブレムに戻るのを毎日、祈りながら待ち続けて、ついにその時を迎えるという映像を制作した。そのスポットの終わりに浮かび上がる言葉は、次のようなものだった。

「時として、心にはマーケティングに分からない正しさがある」