【大学選手権】「勝利のため」自身に重荷の高校時代…大商大・真鍋慧 今は練習後のチョコクレープが至福のひととき 

AI要約

大商大が中央学院大を1−0で破り、東京ドームでの第73回全日本大学野球選手権の初戦を突破した。真鍋慧外野手が初回に先制打を放ち、注目を集めた。

高校時代から“広陵のボンズ”として注目を集めた真鍋は、重圧と緊張に立ち向かいながら、新たな打撃フォームを模索し、大学での日々を楽しんでいる様子。

真鍋がプロ入りを目指す4年後を見据え、自己成長に励む姿勢が浮かび上がる。自然体で野球を楽しむことが、成功への道と信じている。

【大学選手権】「勝利のため」自身に重荷の高校時代…大商大・真鍋慧 今は練習後のチョコクレープが至福のひととき 

◆報知新聞社後援 第73回全日本大学野球選手権▽1回戦 大商大1―0中央学院大(10日・東京ドーム)

 大学日本一を決める熱戦が開幕。神宮で3試合、東京Dで4試合が行われた。大商大(関西六大学)は中央学院大(千葉県大学)との開幕戦を1―0の“スミ1”で制し初戦突破。高校通算64発の強打者で“広陵のボンズ”こと真鍋慧(けいた)外野手(1年)が「5番・DH」で先発出場し、初回に先制打と東京Dデビューを鮮烈に飾った。

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 真鍋はずっと仮面をかぶっていた。“広陵のボンズ”として注目された高校時代。1年時から主軸を張り、期待を一身に背負った。勝てば「みんなのおかげ」と無表情で口にし、負ければ「自分が打てなかったから」と下を向いた。自身に重荷を課しているように見えた。

 昨夏、延長10回タイブレークの末敗れた甲子園3回戦・慶応戦では3―3の9回無死一塁で「勝利のため」と、自ら送りバントを選択。失敗(三飛)したが「打ちたかった」のが本音だ。責任、大舞台での緊張…。全てを超越する技術とメンタルが必要だと痛感した。だから、ドラフト指名漏れ直後も約2時間バットを振り続けた。

 大商大入学後は、脱力を意識しバットを体の正面に寝かせる“神主打法”に着手した。初めての一人暮らしでは、自宅近くのクレープ屋の常連。練習後、チョコクレープを頬ばる瞬間が至福のひとときだ。大商大で肩の荷を下ろした。自然体の日々が、4年後のプロ入りにつながると信じている。(直川 響)