森保監督、シリア戦を消化試合では終わらせない 独王者レーバークーゼンから着想、最終予選見据え攻撃的3バックを試す【サッカー日本代表】

AI要約

サッカー日本代表は2026年W杯北中米大会のアジア2次予選B組最終戦でシリア代表と対戦する。

森保監督は3バックの戦術を継続し、攻撃力を活かす戦略を模索している。

欧州のトップクラブを視察し、3バックの攻撃的な使い方を学んだ森保監督。

森保監督、シリア戦を消化試合では終わらせない 独王者レーバークーゼンから着想、最終予選見据え攻撃的3バックを試す【サッカー日本代表】

【記者コラム・目撃者】

 サッカー日本代表は11日に2026年W杯北中米大会のアジア2次予選B組最終戦でシリア代表と対戦する。10日は、試合会場のエディオンピースウイング広島で最終調整した。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは日本18位、シリア89位。過去の対戦成績は日本の10勝2分け。

 森保一監督は公式会見で「より共有を図れるように、戦術の浸透度を上げていけるようにトライしたい」と3バックの継続を明言した。6日のミャンマー戦では攻撃に出た際、2列目に5人が並び、中央や両サイドから後方に引く守備網の細かな穴を巧妙に広げ、突いた。ウイングバック(WB)に入った中村敬斗、相馬勇紀の攻撃力を活用した戦略は新鮮味があった。

 その伏線は欧州のトップトレンドにある。森保監督は4月、海外組の視察に出向き、日程が空いたタイミングで足を運んだのがドイツ1部で史上初の無敗優勝を成し遂げたレーバークーゼンの試合(欧州リーグ準々決勝・ウエストハム戦)だった。シャビアロンソ監督に率いられたチームを間近で見て、「3バックにもいろいろなやり方があるな」と感じたという。

 3バックが相手を引き込みながら、連動してビルドアップとハイプレスを循環。ボニフェイス、ビルツ、ホフマンの前線3人に加え、公式戦12得点の左WBグリマルド、同14得点の右WBフリンポンの攻撃力を引き出す戦い方に着想を得た。

 「3バックは守備的と言われるが、攻撃では真ん中からも外からも崩せる。幅を持って守れる。攻守で3バックのメリットを最大限に発揮するチームづくりは学びになった」と森保監督。攻撃的な3バックは9月から始まる最終予選、W杯本大会を見据えた試験運用。シリア戦を、単なる消化試合では終わらせない。(松岡祐司)