阪神・才木 投手4冠 ノーノー逃すも7勝目、62K、3完投、3完封 交流戦無双38イニング無失点

AI要約

サンデー才木は頼りになる。才木浩人投手が交流戦で快投し、チームを3連勝で2位に浮上させた。

八回1安打無失点の快投で両リーグトップの7勝目を達成し、偉業には及ばなかったものの、投手4冠を達成した。

才木はチームメイトに感謝しつつ、次の試合でもベストを尽くす意気込みをみせている。

阪神・才木 投手4冠 ノーノー逃すも7勝目、62K、3完投、3完封 交流戦無双38イニング無失点

 「阪神3-0西武」(9日、甲子園球場)

 サンデー才木は頼りになる。阪神・才木浩人投手(25)が八回1死まで無安打無得点投球。惜しくも偉業達成は逃したが、8回1安打無失点の快投で両リーグトップの7勝目。62奪三振、3完投、3完封を合わせて投手4冠となり、交流戦では昨年から38イニング連続無失点という無双状態。チームは交流戦初の3連勝で2位に浮上した。

 スコアボードに「H」のランプをともさせないまま、あとアウト5つ。偉業へのカウントダウンは進んでいた。才木が25人目の打者へ、ちょうど100球目を投じる。打球は右翼へ。どよめきとともに、白球が風に乗った。「悔しいっす」。森下のグラブは届かず、右翼フェンスに直撃。快挙にはあと一歩、及ばなかった。

 無安打無失点投球を続け、八回のマウンドへ。先頭の源田へ3球目を投じた後、右のふくらはぎがつった。一度、ベンチ裏へ下がって治療。再び姿を見せると、背中を押す拍手が響いた。源田は直球で押し込んで中飛。アクシデントも乗り越えたかに思われた。

 しかし、続く代打の山野辺に2ボールとなり、148キロの真っすぐを捉えられた。「風で流されたのでしょうがない」。右越え三塁打で球団10人目のノーヒットノーランとはならず。悔しそうにグッと口を閉じた。ため息も充満。だが、動じなかった。

 「その後をしっかり切り抜けようと思って、切り替えられたので良かった」。3点リード。勝利のために、腕を振り続けた。四球などで2死一、三塁となったが、奥村を二飛。小さくガッツポーズし、喜び半分の表情で大歓声を浴びた。

 九回の続投も志願したが、右足の状態も考慮して降板。8回1安打無失点で岩崎に後を託した。これで、リーグトップの7勝目。62奪三振はリーグトップタイで防御率1・19は同2位と抜群の安定感を誇っている。交流戦は昨季から38イニング連続無失点となった。

 自身の勝利数には「運なんで」と興味を示さない。それでも、ここまで白星が積み重なるのは人柄があるのかもしれない。2日のロッテ戦(ゾゾ)では初回にミエセスがド派手な後逸でピンチを広げた。「ちょっと笑いそうになったけど。味方のエラーもカバーしていかないといけないから」。一切、表情に出さずに無失点。ベンチで「ホント、スイマセン」と言う助っ人に「おい、おい」とツッコんで和ませた。

 この日も得点が入らない中、気迫の投球。打席でもがむしゃらにバットを振った。「何とか才木のために打ってあげよう」という中野の言葉は本心だろう。渡辺もファウルフライを捕ろうと、カメラマン席へ恐れることなくダイブ。右腕の姿には自然と突き動かされるものがある。そして、才木自身も野手への感謝を忘れない。

 「野手が必死に守っている姿が僕の目には映る。何とか野手のために、というのも投げててすごく感じますね」

 今季2度目の同一カード3連勝で2位に浮上した。「また次にノーノーできるような投球を頑張りたい」。サンデー才木に不可能はない。