科研費、倍増求め文科相に申し入れ 主要学会のべ220万人超所属

AI要約

日本の研究力の低下に歯止めをかけようと、全国の研究者の研究資金となる国の科学研究費助成事業(科研費)を現状の2倍に増やすよう、主要学会連合の代表者が6日、盛山正仁文部科学相に要望書を提出した。

科研費は、あらゆる分野の研究者が自身の研究アイデアを応募し、審査を経て助成される。最もベーシックで、広く下支えとなる研究資金で、iPS細胞など後にノーベル賞が贈られたような新発見も、初期には科研費で支えられていたことで知られる。

「我が国の国際競争力回復には科研費の大幅強化が必要不可欠。現状の2倍、4800億円以上が必要です」と訴える要望書には日本化学連合、日本農学会といった自然科学系に加え、日本歴史学協会など人文社会学も含めた15の学会連合が賛同。のべ会員数は222万人という。

科研費、倍増求め文科相に申し入れ 主要学会のべ220万人超所属

 日本の研究力の低下に歯止めをかけようと、全国の研究者の研究資金となる国の科学研究費助成事業(科研費)を現状の2倍に増やすよう、主要学会連合の代表者が6日、盛山正仁文部科学相に要望書を提出した。のべ220万人を超す研究者の声を届けた東原和成・生物科学学会連合代表は「バラバラだと思われがちな研究者がまとまって要望することが、いかに重要で喫緊の問題か、大臣にも理解いただけたと思う」と語った。

 科研費は、あらゆる分野の研究者が自身の研究アイデアを応募し、審査を経て助成される。最もベーシックで、広く下支えとなる研究資金で、iPS細胞など後にノーベル賞が贈られたような新発見も、初期には科研費で支えられていたことで知られる。

 科研費の予算額は当初予算で年2400億円程度の横ばいが続いてきたが、資材や試薬の高騰、円安を考慮すると、研究者が受け取る実質的な価値は直近10年で半分程度に目減り。論文を投稿・出版するための費用も高騰しており、応募が殺到する科研費に採択されなければ研究が続けられない状況が生まれている。

 このため日本分子生物学会や生物科学学会連合を中心に科研費増額をめざし、学術界での呼びかけや、7月からは署名をオンライン署名サイトで募集。この日までに3万6千人以上が名を連ねた(https://chng.it/hv5tytZ2D7)。

 「我が国の国際競争力回復には科研費の大幅強化が必要不可欠。現状の2倍、4800億円以上が必要です」と訴える要望書には日本化学連合、日本農学会といった自然科学系に加え、日本歴史学協会など人文社会学も含めた15の学会連合が賛同。のべ会員数は222万人という。