鉄道車両と木造建築の意外過ぎる共通点とは?

AI要約

鉄道車両の構体には、木造建築と共通点があり、構体の部品には似た名称が使われている。

現在の日本の電車では金属材料が使われており、木材よりも強度が高く燃えにくい利点がある。

線路を支える軌道の進化やハイブリッド車両の技術的挑戦など、鉄道の世界ではさまざまな進化が続いている。

鉄道車両と木造建築の意外過ぎる共通点とは?

乗り鉄、撮り鉄、駅鉄、時刻表鉄など、さまざまな楽しみ方がある「鉄道」追究すればするほど、新たな側面が見えてきて、「鉄道」の魅力には限りがありません。歴史、技術、鉄道の種類、高速鉄道、運用のしくみ……。車両や線路だけでなく、運用のメカニズムまで徹底的に解説した『最新図解 鉄道の科学 車両・線路・運用のメカニズム』(ブルーバックス)から、特におすすめのトピックを紹介していきます。

今回は、意外と知らない「鉄道車両と木造建築の共通点」について解説していきます。

※この記事は、『最新図解 鉄道の科学』の内容を再構成・再編集してお届けします。

鉄道車両の構体(こうたい)には、各部に名称があります。構体とは、箱状になった車体の基礎部分のことであり、座席やドアなどの設備はふくみません。

構体は6面体に近い形をしているため、おもに6つの部品から構成されています(図「構体の組み立て作業」)。

6つの部品とは、床と接する台枠と、屋根に使われる屋根構体、そして車体の前後両端の面と側面に使われる妻(つま)構体と側(がわ)構体がそれぞれ2つずつあります。

ここで紹介した屋根・妻・側という言葉に聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか? これらの言葉は木造建築でも使われているのです(図「木造建築と電車の車体(構体)」)。

たとえば柱(はしら)や梁(はり)、垂木(たるき)や幕板(まくいた)などというように、細かい部品においても、構体と木造建築では同じ名前が存在しています。

このように、両者に同じ名前の部品が存在する理由は定かではありませんが、日本で客車の木製講体を大工が造ったことが関係しているという説があるようです。

なお、現在の日本の電車では、金属材料(普通鋼・ステンレス鋼・アルミニウム合金)で造った構体が使われています。金属材料は木材よりも強度が高く、燃えにくいという利点があるからです。

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続いて、線路を支える「軌道」の驚くべき進化をご紹介の予定です。

ブルーバックス通信〈「最新の鉄道車両」仰天の技術〉では、本書担当編集者が、『最新図解 鉄道の科学』から、いま鉄道の世界に広がりつつあるハイブリッド車両の技術的挑戦をご紹介しています。

鉄道の科学 車両・線路・運用のメカニズム

「鉄道とは何か?」という問いを追求してきた交通技術ライターの著者が、知識欲旺盛な鉄道ファンに向けて、鉄道の最新技術を豊富な図解と共に解説した決定版。