NASAがX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」の打ち上げ25周年記念画像を公開

AI要約

25周年を記念して公開されたNASAのX線宇宙望遠鏡「Chandra」の記念画像には、様々な天体や現象の観測データが使用されており、X線の強さに応じて着色された画像が集められている。

チャンドラは2004年に打ち上げられ、ブラックホールや中性子星、木星のオーロラなどを高い解像度で捉え、25年間にわたり運用が続いている。

チャンドラはグレートオブザバトリー計画の一環として活動しており、同プロジェクトには他にハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などが含まれている。

NASAがX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」の打ち上げ25周年記念画像を公開

25の天体がタイル状に敷き詰められたこちらの画像は、アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」の打ち上げ25周年を記念して公開された記念画像です。

チャンドラはスペースシャトル「Columbia(コロンビア)」によるSTS-93ミッションで日本時間1999年7月23日に打ち上げられ、同日中にコロンビアの貨物室から放出されました。放出後のチャンドラは取り付けられていた慣性上段ロケット(IUS)によって遠地点高度約14万kmの楕円軌道に投入。当初は5年間運用される予定でしたが、打ち上げから四半世紀が経った2024年7月現在も運用が続いています。

ご存知の通り、X線は人間には見えない波長の電磁波です。そのため、チャンドラの観測データを用いた画像はX線のエネルギーの強さに応じて着色したり、別の望遠鏡が可視光線や赤外線などの波長で捉えた天体の像と組み合わせたりして作成されています。

今回公開された記念画像もそのようにして作成された画像を集めたもので、オーロラが観測された木星(JUPITER)をはじめ、かに星雲(CRAB NEBULA)、天の川銀河の中心(GALACTIC CENTER)、ケンタウルス座A(CENTAURUS A)、手のように見えるパルサー風星雲(MSH 15-52)といった星雲や銀河などの観測データが使用されています(※丸括弧内は以下の注釈付き画像における表記)。

NASAの「グレートオブザバトリー計画」で打ち上げられた4つの宇宙望遠鏡の1つであるチャンドラは、ブラックホールや中性子星をはじめ、若い星や高温の銀河団ガス、木星のオーロラといった様々な天体や現象を従来よりも高い解像度で捉えてきました。同じグレートオブザバトリー計画の仲間である「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」はもとより、近年では2021年12月に打ち上げられた「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」やX線偏光観測衛星「IXPE(Imaging X-Ray Polarimetry Explorer)」などとともに、今も宇宙の謎に挑むための観測を続けています。

冒頭の画像はNASAやチャンドラを運用するスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センター(CXC)から2024年7月22日付で公開されています。

Source

NASA – 25 Images to Celebrate NASA’s Chandra 25th Anniversary

NASA – 25 Years On, Chandra Highlights Legacy of NASA Engineering Ingenuity

CXC – 25 Images for Chandra’s 25th: 25 Images to Celebrate!