求愛中にオスがメスのふりをしてオスに近づくタイガーサラマンダー、いったいなぜ?

AI要約

タイガーサラマンダーは、トラのしま模様に似た模様が特徴で、食性や生息環境、繁殖行動などが紹介されている。

北アメリカに広く分布し、湖や川の近くの穴に生息するが、生息環境の変化や交通事故による影響も受けている。

タイガーサラマンダーは長寿で、野生でも10~16年生存するが、個体数の安定性は森林伐採や汚染などによって脅かされている。

求愛中にオスがメスのふりをしてオスに近づくタイガーサラマンダー、いったいなぜ?

 タイガーサラマンダーの模様は、生息域によってさまざまだが、名前の由来にもなっているトラのしま模様によく似た模様が最も一般的だ。通常は、茶色がかった体に鮮やかな黄色の線や斑点が模様として出ている。体の色が緑に近いものや灰色の個体もあり、模様が黄色や茶色の斑点の場合もある。中にはまったく模様のない個体もある。

 ずんぐりとした体に丸い鼻先、太い足、そして長い尾を持つ両生類のタイガーサラマンダーは、陸にすむトラフサンショウウオ(北中米に生息し、日本のサンショウウオとは別のグループ)の中で最大である。体長35センチにまで成長することもあるが、平均的な体長は15~20センチほどだ。タイガーサラマンダーはさまざまなものをエサにしており、夜になると穴から出てきて、ミミズや昆虫、カエル、そしてほかのサラマンダーも食べてしまう。

 北アメリカに生息するサラマンダーの中で最も広範囲に生息している。生息域はアメリカのほぼ全域、カナダ南部とメキシコ東部に及ぶ。池や湖、流れの緩やかな川の近くの、地表から深さ60センチほどの穴の中にすむ。北米内陸の乾燥した気候の中で生きられる数少ないサラマンダーである。また、タイガーサラマンダーは長寿で、野生でも平均で10~16年は生きる。

 求愛行動中に、オスのタイガーサラマンダーがメスのふりをして近づき、ほかのオスの精包(せいほう)の上にこっそりと自分の精包を置くことがある。

 いずれの生息域でも個体数は安定しているが、森林伐採やさまざまな汚染、そして繁殖地の水の酸性度の上昇などが生息分布に影響を及ぼしつつある。春の繁殖の時期、繁殖地と生息地を移動のため道路を横切るとき、多くのタイガーサラマンダーが車にひかれて死んでしまうこともある。