福井県の三方湖に水草「ヒシ」2年連続発生せず 舟運行は快適だけど…専門家「生物多様性への影響懸念」

AI要約

福井県若狭町の三方湖で、淡水性の水草のヒシが2年連続で発生しなかったことが分かった。

ヒシの大量繁茂は漁師の航行を妨げる問題を引き起こす一方、生物多様性に影響を与える可能性がある。

ヒシの増加による湖面の覆いは様々な問題を引き起こす可能性がある。

福井県の三方湖に水草「ヒシ」2年連続発生せず 舟運行は快適だけど…専門家「生物多様性への影響懸念」

 福井県若狭町の三方湖で、淡水性の水草のヒシが昨年から2年連続でほとんど発生しなかったことが、県里山里海湖研究所(同町)への取材で分かった。大量繁茂すると漁師の舟の航行を妨げるなどの問題を招く一方で、ヒシが繁茂するエリアの境界付近はエビや小魚類のすみかになるため、専門家は「生物多様性への影響が懸念され、功罪相半ばしている」と話している。

 ヒシは湖底に根を張り水面に葉を広げる浮葉植物。同研究所によると、三方湖では例年、4、5月に湖底で芽生え、7、8月に湖面で繁茂し、9月下旬に枯れる。約20年前から急激に増え、湖面の7割以上を覆う年もあった。

 ヒシが多く発生すると、舟の航行が難しくなるなど地元漁師の漁の障害になったり、枯れて岸辺に打ち上げられて腐敗し悪臭が発生したりする。湖面を覆って日光を遮り、水中の植物プランクトンの光合成が行われなくなり、酸素濃度が低下して生物が生息できなくなるなどの問題も引き起こす。