NASA、巨額投じた月面ローバー運用計画を断念

AI要約

米NASAは月面ローバーの運用計画を中止すると発表。コスト超過と遅延が理由。

無人探査車「VIPER」は月の南極を探査し、資源を探す計画だったが、計画は延期を重ね、中止となった。

中止についてNASAは、中国に遅れを取る意味ではないと主張。中国は月の裏側からサンプル回収ミッションに成功している。

NASA、巨額投じた月面ローバー運用計画を断念

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)は17日、コスト超過と遅延のため、これまですでに4億5000万ドル(約700億円)を費やした月面ローバー(探査車)の運用計画を中止すると発表した。

 無人探査車「VIPER」は、月の南極を探査し、氷やその他の資源を探すことを目指していた。「アルテミス(Artemis)」計画の一環として、今後数年以内に予定されている米有人ミッションへの道を開くことが目的とされた。

 当初は2023年の打ち上げと運用開始が予定されていたが、計画は24年に延期され、さらに25年へと延期された。予想されるコストも6億960万ドル(約950億円)にまで増大した。

 計画の中止についてNASA科学ミッション局のジョエル・カーンス(Joel Kearns)氏は、宇宙競争で中国に遅れを取ることを意味するものではないと主張した。中国は6月、人類史上初めて、月の裏側からのサンプル回収ミッションに成功している。【翻訳編集】 AFPBB News